苦悩、発覚、距離B



ジュダルside



今日も俺は空飛ぶ絨毯に乗り、あいつの元へと向かっていた。

今日はどんな話をしてやろうとか、あいつが体調を崩したりしてないかとか、
俺の名前を呼ぶ声が聞きたいなとか、一人で色々なことを悶々と考える。


最近思うようになったんだ。



俺、中毒だなって。




一日一回はあいつのことを考えてるし、あいつに会えなかった次の日は気分も
機嫌も最悪。
自分でも相当重症だと思うし、治せるもんなら治したいって思ってる。


中毒とは別の感情じゃねぇか、って言う奴もいるかもな。そうなると俺はただの変態になるわけだが……。


(10歳と18歳って時点で
アウトなんだろうな……)


そこでハッと我に返る。


(何だよ「アウト」って…。それじゃあ俺がアイツのこと好きみてえじゃねぇか。
いや、好きだけど?好きだけど、そうじゃなくて…)


自分がそんなことを考えていると思うと恥ずかしくなってきて、顔を手で覆って頭をブンブン振る。

地上でこんなことやってたら、完璧変人扱いだな。
空でよかった。

まぁ深夜だから関係ないんだけどな。


そんなバカみたいなことをしてる間に、見慣れた部屋の窓際まで来ていた。



だが、いつもと違う



(……お?)



窓が開いていない



まさか…………


(え……?コレ、拒否されてんの?)



恐る恐る窓を手前に引いてみると、窓はいとも簡単に開いた。


(よかった…)


ただの開け忘れだったらしい。だが、アイツが開け忘れるのも珍しい。
何かあったのか…?


「あれ………」


部屋の中を見渡しても
アラジンの姿が無い。

留守か―――――――




「すー…すー…」


「…………」




いた。




いや、正確に言えば本人はベッドの上で縮こまって
穏やかな寝息をたてていた。


「……おーい」


一向に起きる気配はない。
さて、どうしたものか…



(それにしても……)


本当にこれが自分と同じ
マギだとは思えない。

小っちゃくて弱っちくて
可愛く――――――


(って………ナニ考えてんだ俺!)



ちらっとアラジンを見ると、まだ寝息をたてている。

試しに頬をつついてみるが、反応はない。


(すっげー柔らかい……)


何ともいえない柔らかさに夢中になって頬をつつく。

面白い………
次は何をやってやろ―――


「んっ……ジュダルくん、何してるんだい?」


「あ………」


起 き た






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