苦悩、発覚、距離A



アラジンside



突然だけど…………


最近、アリババくんの目つきが怖い。

やけに僕の顔色や表情を気にするし、常に見られているような気がして正直






嫌だ。






でもそんなこと本人に直接言える訳もなく、今日もアリババくんの視線を背後から感じる。
何か言いたいことでもあるのだろうか…。ここは、一回聞いてみるべきかもしれない。


「ねぇ、アリババくん」


「うおっ!ど……どうしたアラジン?」


急に僕に声を掛けられ、
アリババくんは大きく肩を跳ねさせた。何か考え事でもしていたのだろうか……。

アリババくんの反応を疑問に思いながらも、僕は思い切って聞いてみることにした。


「ねぇアリババくん。
僕に、何か言いたいことでもあるのかい?」


すると、アリババくんは
気まずそうな顔をしながら「あー…」と言葉を濁した。

やはり何か言いたいことがあるらしい。


「言いたいことがあるならはっきり言っておくれよ!僕達は友達じゃないか!」


僕がそう言うと、彼は少し申し訳なさそうな顔をして一瞬目を逸らし、それから真剣な表情で僕を見た。


「じ……実は、お前に一つ聞きたいことがあるんだ」

「うん、なんでも聞いておくれよ!」


アリババくん、どうしたんだろう?今更僕に聞きたいことなんて……。
まぁ、きっと大したことではないだ――――――


「お前、最近夜部屋に誰か入れてないか?」


「……へ?」


その言葉に、僕の思考は完全に停止した。
ただ頭の中にあるのは、
「何故バレた」「いつから知ってた」ということのみ。


(答えなきゃ…!)


誤解されないように返事をしなければ、と思うのに、適切な言葉が口から出てこない。

ダメだ。

このままではジュダルのことがバレてしまう。

それだけは………


(それだけは避けないと…!)



もしバレれば、ジュダルが二度とここに来ることはできないだろう。


(そんなのやだよ……)


そうは思っても、言い訳が見つからない。
何か……何か言わないと!





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