こんな筈じゃなかった



タイトルは私の心境です。
シリアスを貫き通そうとしてたのに、なんか知らんがギャグになっちゃいましたw
それでもおkよっ!って方は、どうぞそのまま下にお進みください。
――――――――――――











「あっ!おじさん、お帰りなさい!」


外から帰ってきたシンドバッドに、アラジンは勢い良く抱きついた。


「ただいま、アラジン。
元気にしてたか?」


抱きついてきたアラジンの頭を軽く撫でながら、俺は笑顔で返事を返す。

アラジンはすっかりもとの体型に戻り、今はヤムライハに魔法の扱い方を学んでいる途中らしい。


しかし、煌帝国から帰って来た時は正直……焦った。

以前とは比べものにならないくらい太ったアラジンとアリババを見た時は、もうどうしようもないんじゃないかと諦めかけたが………意外となんとかなるもんだな。


(本当によかった……)


ニコニコしながらこちらを見やるアラジンに微笑み返しながら、心底そう思う。


「シン。帰ってたんですか」


暫くすると、ジャーファルが向こうからやってきた。


「あぁ、ジャーファル。
留守中ご苦労だったな」


彼の顔から判断すると、留守中は何も問題は起きていないようだ。
しかし、何故かこちらを見ながらニヤニヤしている。


「何だ、ニヤニヤして。
言いたいことがあるなら
はっきり言え」


「いやぁ、なんて言いますか……」


そう言うと、またこちらを見て笑顔になる。

本当に、何なんだ一体…。


「お二人が、本物の親子みたいだなぁって」


………………。


「は?」


いやいやいや……それは
無いだろ。
大体、俺と親子なんてアラジンも嫌に決まって―――


「本当かい?ジャーファルお兄さん。嬉しいなぁ!」


嫌に決まって――――え?アレ?


「お前、俺と親子なんて言われて…嫌じゃないのか?」


が、アラジンは目をキラキラさせてそれに答える。


「嫌なわけないじゃないか!
もし僕に両親がいたなら、シンドバッドおじさんみたいなお父さんがよかったよ」


「アラジン…………」


なんだコレ。すっごい嬉しいんだが。

いっそのこと結婚なんか
せずに、アラジンを養子にしてしまおうか。
いや待てよ。大体マギって養子にできるのか?

そんなことを真剣に考えている自分は末期なんだろうか……。

すると、アラジンがさらにとんでもないことを言いだした。


「あと、お母さんは


ジャーファルお兄さんが
いいな」




……ちょっと待て。

どうしてそうなった。


「わ…私ですか!?私なんかで良いのでしょうか……」


いや、良くないだろ。自分の性別をもう一度よく考えろよ。明らか「お兄さん」
って呼ばれる時点で何かが違うだろ。


って、ツッコミたい。


「うん。だって、ジャーファルお兄さんって本当に
お母さんみたいなんだもの。」


まぁ、いわれてみれば確かに似合っている気がする。
世話焼きできれい好きで、細かい所にも目がいく。

ま、理想の女性像ではあるかもな。


「僕、二人の子供に生まれてきたかったなぁ」


「ははは。そうかそうか」


二人の子供て。

ん?二人の子供て………

えぇ!?


「いやぁ、アラジン。それはちょっと難しいかもしれないなぁ」


男同士だし。


「なぁ、ジャーファ……ル?おい。………おい」


ジャーファルの方を見ると、何故か服の袖で顔を隠している。
さらに、頭をブンブンと振りながら独り言を呟いていた。


「私とシンとの子がアラジンなんて……。いや、そもそも私とシンはまだ結婚もしてないわけだし…っていうか同性どうしで結婚だなんてそんなことあるわけないのに、でもアラジンが子として私達の所に来てくれるならいいなー………
なんて、思ってない思ってない。ちょっとしか思ってないですからっ」


「ジャーファルお兄さん、どうしたんだろうねぇ?」


「さぁ、どうしたんだろうな」


どんだけ取り乱してるんだアイツは。
ま、確かにアラジンが養子に来てくれるのは嬉しいことだが……


(絶対無い……よなぁ)


そう思いながらアラジンを見ると、アラジンもこちらを見ていた。
何か言いたそうな顔をしている。




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