4-2 小さな洞窟に、二人分の荒れた呼吸が木霊する。 始めは重ねるだけだったキスは、徐々に深くなっていく。 唇を食み、歯列をなぞり、舌を絡めあう。 どちらのものか分からない唾液は、収まりきらずに口端から流れ落ちた。 「……真白」 サスケは真白の耳を舐め上げ、甘噛みしながら真白の服のボタンを外していく。 耳元にサスケの熱い息がかかり、甘い声で名を囁かれ、以前に弱いと言った耳を攻められて、真白は力が抜けた。 「…あッ…ん」 首に舌を這わせると、声が漏れた。 壁に反響して洞窟内に響き、自分の甘い声が聞こえた真白は、羞恥に頬を染める。 「…聞きてえけど、あんまデカイ声出すなよ…」 「…無理言わないでよ…」 出したくなくても自然と口から漏れるのだから、どうしても抑え切れない部分は出てしまう。 サスケはボタンを外し終えると、服を脱ぐように指示した。 真白が脱いでいる間に、サスケも額当を外し上半身だけを脱いだ。 熱気と湿気でそんなに寒くはない。 脱いだ服を、地面の出来るだけ平らな所に敷いた。 「…こうすりゃ少しはマシだろ」 この上に寝ろと。 これしか方法が無い訳ではないのだろうが、その中でこれを選んでくるとは。 真白は、サスケの配慮とプライドを読み取り、声を殺して笑った。 「…何笑ってる」 「……ッフフ…ごめんごめん」 立ったままヤって私に負担をかけるのも、自分が下になるのも嫌だったのだろう。 きっと。 真白はクスクスと笑いながら、サスケの服の上に寝転んだ。 暗いので見えないが、多分今は仏頂面だ。 サスケは真白に覆い被さる様に、真白の片足をまたいで乗る。 膝が痛いが、我慢。 秘部を守る下着以外何も身に着けていない真白の胸を、やんわりと手で掴んだ。 「……やわらかい」 「…変態みたいだよ」 「…っせーよ…」 胸を手で変形させながら、鎖骨に何度もキスを落とす。 印を残しておきたいが、やめておくことにする。 「…んっ…」 「…感じ易いんだな、真白」 胸の突起を口に含み、舌先でそれを転がす。 真白はそれに何度もピクリと反応する。 突起を強くつまみ、きつく吸い付くと、甘い響きが木霊した。 「ッあ、ンッ…はっ…」 しびれる様な刺激が下半身を中心に広がる。 真白は無意識に少し腰を動かした。 それを見てサスケは、胸にあった手を真白の股の間に移動させた。 下着の上から擦ると、またビクリと反応した。 「…濡れてる」 布越しでも分かるくらいにそこは濡れていた。 サスケは真白が身に着けていた最後の布を取り去ると、足を開かせてその間へ移動した。 「っ! あ、ふッ…ん…」 真白の秘部に舌を寄せる。 堪らず声を上げたが、なんとか抑えようと努めた。 サスケの舌は、入り口の周りを沿ったり、芽を弄ったりと、不規則な動きをする。 「…甘い…」 感じている証拠でもあるその液を舐め取り、そう言った。 甘い筈はないが、そう錯覚し、真白を愛しいと思う。 一度口の周りを舐めると、サスケは舌を中へと入れた。 「んっ…ふ、あ…!」 生暖かいものが中で動く感覚に、真白は少し身を捩る。 水音を立てながら舌で中を掻き乱すサスケ。 そこからは粘り気のある液体が流れ始めていた。 サスケが舌を引き抜くと、一本の糸が繋がっていた。 また口の周りを舐めると、体を起こし、今度は指を入れる。 「っん、あ…っ!」 「…もう結構広いな…」 そう言うと、一本だった指を二本に増やした。 奥まで入れると、中で不規則に動かし、空いている指は芽を弄る。 真白の身体はビクリと脈打ち、息は益々荒れる。 「やっあ、んんっ…!」 扇情的な真白の声に興奮して、サスケも息が速い。 ズボンの下にあるものは、普段の比にならないくらい大きくなっている。 再び真白の胸に唇を寄せ、乳房に吸い付いた。 指も動かし続け、更に数を増やした。 抜き差しをする度に、いやらしい水音が洞窟内で反響する。 「真白…もう、良いか…?」 サスケが問うと、真白は小さく頷いた。 それを確認すると、指を抜く。 素早くズボンと下着を脱ぎ、性器を露わにする。 「…イれるぞ…」 腕を首に掛けさせて、ゆっくりと自分を真白の中へと沈み込ませる。 「痛ッ、あんっ!!」 「声、デカイ…っ!」 「…そ、んなこと、言った、って…あ、あ!」 痛みと快楽に声を抑えられない。 誰かに聞かれはしないかと内心冷や冷やしながらも、サスケは奥へと進み続ける。 「…動くぞ」 「…う、ん」 少しきつそうだが、真白が了承したのでサスケは律動を始めた。 「! っァあ!! ん、んん!!」 ある場所を突くと、真白は一瞬大きく声を上げ、咄嗟に手で口を押さえた。 そこが性感帯であるとすぐに勘付き、サスケは激しくそこばかりを突く。 「…っ…気持ち良い…」 「んっ! んっ! んあっ! や! ああ!!」 真白の膣内がヒクヒクと痙攣しだした。 内壁がサスケの性器を締めつける。 「あっ! …だ、め…っ! イきそ…!」 「真白…」 サスケは名前を呼ぶと、真白の口を自らの唇で塞ぎながら一気に奥まで突き上げた。 「ふっ、んん――っ!!」 「! っんぅ…!」 真白は全身を痙攣させて、サスケは引き抜く暇もなく達した。 「…木ノ葉まで送る」 全ての服を着終わって、サスケは言った。 まだどこかに音忍が潜んでいるかもしれないのに、真白を一人で帰らせる訳にはいかなかった。 「…だめだよ。最近里の警備が強化されてるから」 「…なら、あの小屋まで…」 真白は少し渋ったが、サスケがどうしても送ると言うので、その言葉に甘える事にした。 少し違和感のある腰を持ち上げて、並んで歩き出す。 霧は徐々に晴れ始めている。 月が地面を明るく照らしていた。 ほとんど何も話さないまま、小屋に着いた。 途中で誰に見つかる事もなく、安全に。 「…じゃあ、ここで…」 「…真白」 「!」 帰ろうとした真白を、サスケが後ろから抱き止めた。 真白は驚いて振り返ろうとしたが、サスケはそれを許さない。 「真白…。俺はもう、お前を手放す気はない。…それでも良いのか?」 真剣な声で問うた。 真白は、それに少し困ったような苦笑を漏らして答える。 「…良い訳ないよ…」 「………」 「でも、私も同じ気持ちだから…ね」 こんな関係、許される筈がない。 でも、そんなことに構わずに、気持ちは強くなるばかり。 サスケの腕の力が弱まる。 真白はその隙に振り返ると、キスをした。 「!」 「……そんな顔、しないで…」 哀しげに瞳が揺れるサスケを、慰めるようなキス。 「…好きだよ、サスケ」 「…真白…。俺もだ…」 今度はサスケから、重ねるだけのキスをする。 ゆっくりと、名残惜しそうに体を離す。 「…またね、サスケ」 「…ああ。またな」 真白は、後ろ髪引かれる思いで、その場を後にする。 数回、何度か振り返りながら歩いていく。 そんな真白を、見えなくなり、気配が感じられなくなるまで、サスケは見送り続けた。 (20060204) [←] [→] 戻る [感想はこちら] |