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彼が幼児に若返り?


「あっサスケくんそれはダメ!」

 それを聞いた瞬間「またか」と思いながら、一口飲んでしまった液体の残りを口から吹き出す。またしてもありきたりなボトルに詰められていた透明の液体は、若干の不可思議な味でもってただの水ではないと知らせていた。全くお前というやつは同じコトを2度も繰り返しやがって!

「げほ、……今度はなんだ」
「えっと、……若返りの薬……」
「…………」
「今度は興味本位じゃないよ、五代目にお願いされて……」

 傍迷惑な!
 以前に変身薬を完成させたのを聞き付け、調合の腕を買って頼まれたそうだ。確かに碧の薬を作る腕は凄い。ともすれば不老不死の薬だって作れてしまうのではなかろうか? 本人に意思が無いので実際には作らないだろうが。

「……効果はどれくらいだ」
「年齢はマイナス15から20程度で、時間は保って2日くらいかな……」
「……」
「えっと、……赤ちゃんになっちゃったらごめんね」

 洒落にならない!
 困ったような顔で苦笑しながら言われ、どうしようもなく焦る。長くて2日とは言え、もし碧におしめを替えられたりミルクを飲まされたりしたらば、俺はもう立ち直れない。
 なんて言っている間に薬の効果が表れ始めたようで、身体に違和感を感じる。本当に赤ん坊にまで若返ってしまったら、またしてもこんなところに訳の分からない薬を置いていた碧にはキツい灸を据えてやらねばなるまい。さすがにそれは俺の沽券に関わる。
 どんどんと下がる目線の高さに言いようもない不安を覚える。おいおいどこまで下がるんだよマズいだろこれは。着ていた服はぶかぶかになっていくし、そうだ服の心配もしなければならないのだったと思い当たる。そうしてようやく身長の縮みが止まった。時間にして約十秒。効果が表れてから完成するまでは本当にあっという間だ。傍に立つ碧は巨人のように高く、猫にされた時もそうだったが、普段見下ろすことしかない分違和感が大きい。真っ直ぐ目線の高さを確かめてみると、碧の太股くらいで、ついでに言うとしっかりと地に足を着けて立っている。どうやら赤ん坊になってしまうのだけは免れたようだ。俺は元々薬に対して多少の耐性を持っていたから、そのお蔭だろうか。

「……」
「さ、サスケくん……っ」
「?」
「かわいい……!」
「!」

 がばりと抱き締められ、ほとんどシャツ一枚で体を隠している状態の俺は慌てた。ズボンも下着も、サイズが大きくなりすぎてずり落ちていたから、俺としてはマズい以外の何物でもない。しかし碧は気にする様子もなく、それはつまりガキの裸を見た所でなんとも思わない、ということだろうか。

「お、おい、」
「うわあちっちゃーい! きっとアカデミーに行くよりも前くらいの年だよね」
「碧、服を、」

 肩からずり落ちそうになるシャツ。その裾は辛うじて股より下まであるけれど、うっかりすれば見えてしまいかねない。そうならないように俺が尽力する間も碧は、かわいいかわいいと言って抱きしめたまま頬擦りしたりしている。

「どうしよう、すっごくサスケくんとの子が欲しくなっちゃった……」
「! ば、おまえ……」
「だってかわいいんだもん……サスケくんに似るとは限らないけど……」
「…………犬や猫を飼うのとは違うんだぞ」
「……うん、解ってる」

 碧も理解はしているので、あまり強くは主張しない。なんだかしんみりしてしまった。

「でもサスケくん」
「……なんだ」
「そんなかわいい顔でしんみりしても、かわいいだけだよ」
「…………」
「ほっぺたふにふにでやわらかいね」

 にこにことまた笑顔になって、俺の両頬を指で押し遊んでいる。
 くそっ、元に戻ったら同じようにし返してやる……!



(20101103)
楽しそうで何より(ry


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