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自惚れる


「ねえサスケくん、」

 俺たちはどちらもあまりぺらぺらと喋る方ではないので、大抵は言葉少なにまったり過ごす。それが珍しく饒舌なのは、先ほど飲んでいた梅酒のせいだろうか。甘くておいしい、という宣伝だったので試しに碧に買って帰ると、気に入ったらしく喜んで飲んでいた。
 少しだけ上気した頬を俺の肩に甘えるように擦り付け、軽くもたれかかる。それを支えるように回した腕にも、嬉しそうに破顔する。俺が何をしても幸せそうにするので、俺が苦辛している色々な事までもがなんだか馬鹿らしくなってくる。こいつが幸せなら良いか、という感じで。

「(まあ多分、俺が何をしようがこいつはくっついて来て、傍にいるだけで幸せそうな顔するんだろうけどな)」

 なんて、バカみたいなことを思ってみる。
 けどあながち、外れてないだろう?



恋する動詞/自惚れる
(20100802)


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