×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -

[]      [
求める


「サスケ?」

呼ばれて、はたと気付く。見つめ過ぎた。そっぽを向いていたはずのなまえは視線を感じてか、いつの間にか振り返っていた。それに「なんでもない」、と返しかけて、ふと口をつぐむ。なんでもなくは、ない。なまえは不思議そうに小さく首をかしげ、疑問を示す。

「…」
「なに?」
「……」

手招きをして、こいこいと、なまえを呼ぶ。離れた場所で漫画を読んでいたなまえは一旦それを置いて、素直に寄ってくる。なまえのベッドに座っていた俺の、隣に座ったから、膝の上を軽く2回叩く。すると流石に抵抗があるのか、「ええっ」と言って躊躇う。

「やだよ重たいもん」
「重くない」
「…最近ちょっと太った気がするし…」
「知ってる」
「(ガーン!)」
「いい感じの肉付きになってきたよな。ほらこい」
「い、いやだ、そんなこと言われて誰が行くもんかっ」

しかしもうとっくに手の届く範囲、捕まえるのは容易かった。腹に回した両腕で押さえ、しばらく抵抗して、やがてすっかり大人しくなると、満を持して膝の上へ移動させる。やはり恥ずかしそうに気まずそうにもじもじとしながら、しかし逃げようとはしない。こいつかわいいな。

「(かわいいなこいつ)」
「お、重いでしょ…」
「別に。気にならない」
「そ、そう…?」

そぉっと頬の赤を濃くする。ああ、うん、かわいい。欲しい。
ぐっと肩口に顔を埋めて、首もとに啄むようなキスをする。うわっ、と驚きの声を上げて少し距離を取られるが、すぐに抱き寄せて詰める。こんな所でダメ、とか、いやだ恥ずかしい、とか、まだ明るいからやだ、とか。何を言っても逆効果。こんな所だから燃えるし、恥ずかしがるからこそかわいいし、見える方が嬉しい。

「も、サスケ、っひゃ!」

なまえごと体を反転させて、ベッドの上に押し倒す。怯んだ隙を突いてまたキスをして、一層雰囲気を煽る。赤い耳がかわいらしかったので咥えて、舌でそろりと舐め上げる。そうすると驚いたように肩を震わせて、小さく声をもらした。高い声。

「ん…かわい」
「ャっ、…っ」

耳を執拗に舌でいじめ、犯していく。耳殻では飽き足らず、穴の奥まで舐めようと舌を伸ばす。なまえにはきっと、唾液のくちゅくちゅという音が、極限まで近く聞こえているだろう。力なく肩に叩くように乗せられた拳は、なまえの状態をよく表していた。

「ぅっ、…ふゥ…ッ!」
「…キモチイか?」
「やッぁ、ダメだってば…!」

クーラーのよく利いたこの部屋ではやはり、あまり汗も掻かない。さらりとした肌を滑るように唇を下ろし、うなじに吸い付く。うっすらと涙を浮かべたなまえが抗議するが、そんな力の抜けた声では聞く気にならない。
少し体を起こして目を合わす。困ったようなその目に、吸い寄せられるように唇を重ねた。

「今、欲しい」
「…!」
「待てない」

素直に今の気持ちを吐き出せば、ますます困った顔になる。嬉しいけど、ダメだけど、嬉しい、みたいな。2対1で嬉しいの勝ち。マジでかわいい。マジ欲しい。欲望に逆らわず唇を押し付けた。




求める
(20100814)
夏だからって盛り過ぎですね


 []      []
戻る

[感想はこちら]