...20130425 22:50 >>リヴァエレ ※死ネタ 後生ですから謝罪は無しで。 私は傍に居たかったのです。ずっとずっと居たかったのです。舌に転がる貴方への感謝は口の端からこぼれ落ちた。ポタポタと地面に染みを作る感謝の塊はあなたが汚いと忌むものでしたね。 「へ…いちょ…」 「喋るな、頼むから、早くハンジ!ハンジ!!」 「はっ…へいちょ…う…も…い、ですから」 「よくねぇ!!早くっ、早く再生しやがれ!くそっ」 良いのです。私は貴方に看取られる。 それはこの世の何よりも得難い。まだ見ぬ景色よりも得難いのですから。 「エレン、エレン…」 遠くなる貴方の声に耳を澄ませる。リヴァイ兵長、俺は今日、巨人の駆逐の進撃の糧としてここに没します。 「嫌だ、死ぬなエレン、…おい」 生まれ変われるならば、貴方より身長が低くあることを祈ります。キス、しにくかったんで。 (貴方に出会えた奇跡と鬼籍) |
...20130424 17:46 >>リヴァエレ *現パロ 傍にいるとトクンと跳ね上がる心拍。それは最初のころに感じていた恐怖による心拍ではなくて、甘い甘い心拍。 「リヴァイさん」 「なんだ」 「この資料ありませんか」 「こっちだ」 「ありがとうございます」 彼は生徒会副会長、自分は雑務。生徒会での彼との関係はこんなかんじだ。今日は生徒会室の片付けだと潔癖のリヴァイの発案で自分は資料棚の一角を任されていた。 初めてから大分進み、あらかた片付け終わった後確認して貰うべく彼を呼んだ。 「リヴァイさん終わりました」 「ん」 彼が近づいてくると同時にトクントクンと心拍が上がる。嗚呼やっぱり。これを愛とか恋とか呼ばなければなんと呼ぼうか。 「全くなってねぇ。一からやり直せ」 「す、すみません!」 はた、と動きが止まる。唐突に襲う激しい既視感。前にもこんな事はなかったか。大抵いつもやり直しだが、それとは違う。もっと昔に。 「リヴァイさん、なんかこのやり取り初めてな気がしません」 「…いつもじゃねぇか」 彼はぷいと視線を逸らし持ち場に戻ってしまう。 もしかしたら、前世の記憶だったりして。なーんて、そんなロマンチックなことはあるわけない。 まだ鳴り止まない甘い心拍に、俺の思考もズブズブとロマンチックに埋もれてしまうのだ。 (既視感既視感) 元恋人のリヴァエレで記憶なしエレンと記憶ありリヴァイさん |
...20130421 11:53 >>リヴァエレ 自分より数センチばかり小さい彼に俺は恋をした。相手は年上だし何より強い。本来ならば「かっこよすぎ!抱いて!」となるだろうがその身長で抱いてはないだろう、と自分の中で結論付け要するに俺は彼を抱きたい。冷酷を思わせる視線や振る舞いも、彼の内面の不器用な優しさの反動なのだとしると愛しさだとか信頼だとかが溢れんばかりに生まれる。 「兵長!」 「なんだ」 「兵長って格好いいと可愛いどちらを言われたら嬉しいですか」 「…」 「無視ですか」 「…」 「兵長格好いい」 「…」 「兵長食べちゃいたいくらい可愛いです」「また暴力による躾が必要か」 兵長可愛い可愛いとふざけて、いや、それなりに痛みとか覚悟していたが可愛いと言われる彼の反応が見たかったものだから。しかしやはり足に執拗な蹴りを喰らわされた挙げ句腹を蹴り上げられその場にうずくまった。 「…げほっ、ず…ずみまぜんでしたぁ…」 「誠意が感じられねぇよ」 「兵長鬼畜」 「あぁ?」 「なんでもないですリヴァイ兵長」 しかし俺がいつも兵長を見下ろしてる所為か俺を見下ろす兵長は些か気分が良さそうだった。あっ、やっぱり可愛い。 (俺の兵長がこんなに可愛い!) 限りなくエレリだけどリヴァエレで。受けが攻めを可愛い可愛いって言うの好きなんです。 |
...20130414 16:09 >>蔵謙 オリオン座がなくなると涙を流しながら教えてくれたのはつい先日のことだった。スピードスターさながらいち早くその話題を聞きつけ真っ先に俺に伝えに来た。 「オリオン座なくなるんやて」 「そらホンマかいな」 「あかん、涙止まらへん」 「謙也、そないに星好きやったっけ?」 「仲間が死ぬんは悲しいやろ」 「お前はほんまに星なんか」 そう思うと、いつかは謙也も爆発して消えてしまうのだろうか。ギラギラとかつてない輝きを放ちバンと消えてしまうのだろうか。はて、もしかしたら今見てる謙也は本当にここにいるのだろうか。数億年前に放っていた謙也の輝きが今ここに届いているだけではなかろうか。 ぐるぐるとまさに厨二くさい思考に沈んでいると不意にぎゅっと抱きしめられた。 「俺は消えへんしここに居るで」 「なんで俺の考えてること分かったん」 「んーおほしさまやから」 お前の考えてることはお見通しやねん。そう言って笑った謙也を負けじと抱き締める。確かに消えて行く星たちとの距離は何億光年と離れてるけど、お前との距離はゼロセンチだ。眩しいったらありゃしない。 (何億光年:ゼロ=星:俺たち) |
...20130414 15:55 >>狛日 ボクとキミの違いはたった遺伝子が違う、そんな些細なことだと思うんだ。遺伝子がおんなじならば全くおんなじ個体になる。つまりアメーバが無性生殖をするのとおんなじことなんだ。 「その"たった"が埋まらないから俺たちは違う人間なんだろう。狛枝」 「でもその"たった"が埋まればボクたちは一つになれるんだ」 「それは違う。違うぞ狛枝。その"たった"が埋まってしまえばそもそも俺たちは別々になることもなかったし、こうやって出会うこともなかった。お互いがお互い欠点を埋め合わせるように、パズルのように重なることもなかった。まるで一枚の完成された絵のように。鏡に写った自分に恋をするのとおんなじだ」 だからボクたちは不完全で、違う人間なんだ。有性生殖で生まれ、異なる遺伝子を持つ。そして出会って、足りない部分を埋め合わせるように寄り添う。 「だからキミに出会えた」 (嗚呼、ありがとう美しき世界よ) |