威高げに、尊大にロッキングチェアに腰かける“鷹の目”ジュラキュール・ミホーク。
その膝上には…齢5つの幼子。

なんとも不自然だ。
そんな周囲の視線をもろともせず、ノアはミホークにじゃれついていた。

「もう一度聞く、ホントに鷹の目が“パパ”なのか…?」

「ごめんなさい…」

うなだれて正座したままのアンナに、冷汗をダラダラ流しながらシャンクスは聞いた。
その事実を受け入れられないのだ。

いや、受け入れたくないのかもしれない。
ベン以外のその場にいる誰もが、「嘘だろう」と口をポカーンと開けていた。

「だ…だってよ、お前と鷹の目は…顔合わせるたび喧嘩ばっかしてよ…」

“そんな気配微塵もなかったじゃないか”
そう続けたいシャンクスだったが、あまりのショックに口に出すことはできなかった。
それを感じて、アンナはただ俯く。

「お前…知ってたのか…?」

今度は、この事態に平然としているミホークにシャンクスは問いかけた。

「知るはずないだろう」

ひげを触ろうとするノアの手をやんわり退けながら、ミホークは平然と言った。

「じゃぁなんでお前はそんなに冷静なんだよ!」

「…なりゆき」

「まったくお前はよお!昔から変なところで飄々としやがって〜!!」

目の前にある真実に、シャンクスは深紅の頭を掻きむしった。
そして、目の前の二人を見比べる。

似てるといえば、目の色がそっくりだ。
ミホークもアンナもつり目なので形はあいまいだが、色がそっくりすぎる。

あとは肌の色も健康的な肌色だし、輪郭も比較的丸い。
男の子は母親に似るというし、ノアはアンナ似らしい。
その事実に、シャンクスは思わずとほっとした。



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