「よお鷹の目!!こっちだぁ!!!」

「わざわざ呼び出して何の用かと思えば…。おれはお前らと違って忙しい」

「まぁ堅いこと言うなよ!いい酒が入ったんだ。飲もう!」

この島に着き、この惨状を見た瞬間、ミホークは早くもここにきたことを後悔した。
もうすっかり日が高くなっているというのに、砂浜には前日の宴の残骸が散らばっている。

かなりの確率でこういうことだろうとは思ったが、シャンクスという人物はそれだけの阿呆ではないことをミホークは知っている。
だからわざわざ足を運んだのだが…今回は阿呆の方だったらしい。

しかし手ぶらで帰るのも癪だし、ちょうど退屈しているところだったので、ミホークはシャンクスの誘いに乗ることにした。
シャンクスたち幹部が居座るパラソルの下へと足を運ぶ。

しかし次の瞬間、足に何かが当たったのを感じた。
ミホークが下を見ると、自分の足に体当たりしている子供がいる。

ノアだ。
ノアは自分がぶつかったのが人の足だとわかると、ゆっくり視線を上へ向けた。
そしてその人物の顔が見えた瞬間、ノアの表情が固まる。

「ほら鷹の目、ノア怖がらせるなよ」

シャンクスはノアが固まったのを、眼光鋭いミホークを見て怖かったからだと思ったらしい。
ぱちくりと目を瞬くノアと、ミホークはしばらく見つめ合う形になる。

そして次の瞬間、ノアは元来た方へ走りだした。
それはもう、全力疾走で。

「あっはっは!ほら言っただろ!」

アンナの元へと駆けるその姿に、その場にいる全員が笑った。
アンナに泣きつく場面が容易に想像できる。
しかし走りながら叫んだその言葉は、全員が予想していたものではなかった。

「ママー!パパがきたー!!!」

「ええぇええ!?」

クルーたちのその絶叫は、島の表まで響き渡ったという。



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