彼と彼女の関係性



無機質な目覚ましの音がして、眠りから覚めた。ベッドのすぐ側のカーテンを開ける。日に日に強さを増してきた日差しが容赦なく降り注いだ。

「……ん、まぶし……」

隣で眠っていた男が、布団を引っ張って太陽光から逃れようとする。その様子にわたしは少し笑って、彼を跨いで床に足を下ろした。ベッドの中と違って少し冷たい。

「あと一時間で出るから」

布団に潜り込んだ彼にそう伝えると、あぁ、とも、うん、とも取れる曖昧な返事が返ってくる。了承したと見なして、わたしは顔を洗いに洗面所へと向かった。

テキパキと会社へ向かう準備をこなす。その間も未だに寝たままの彼の名は直哉くんという。苗字は知らない。というのも、教えてくれなかったからだ。

彼は恋人ではなく、ただのセフレみたいなものである。みたいなものというのは、会う度に毎回そういった行為をしているわけではないという意味を指す。ただご飯を食べるだけの日もあるし、お酒を飲むだけの日、映画を見るだけの日もある。どちらかと言うと、ソフレに近いのかもしれない。

会うのは決まって彼から連絡があったときだけだった。彼はいつもわたしの自宅へ訪れる。曜日も時間もまちまちで、何週間も間が空くこともあった。

わたしは彼に恋をしているわけではないので、別段気にすることもなかったが、彼とのことを知っている唯一の友人には「良いように使われてるんじゃないの」と叱られた。まぁ実際、そうなのだとは思う。

しかし、お金を要求されることもなければ暴力を振るわれるわけでもないのだ。むしろ彼といる時間は気を遣わなくて済むので、楽しいと感じている自分がいる。わたしか彼のどちらかに恋人ができない限り、この関係を続けられたらいい。そう考えている。

「あ、起きた?」

少々手狭なキッチンで簡単な朝食を作っていると足音がした。そちらに目線をやると、ぴょこぴょこと寝癖をつけた半裸の直哉くんがぼんやりとした様子でわたしを見つめていた。

「……起きた」

寝起き特有の掠れた声がする。何度も共に朝を過ごすようになって分かったのだが、彼はすこぶる朝に弱い。中々起きないし、起きてから覚醒するまでの時間も長いのだ。そんな彼は、目玉焼きを作っているわたしに後ろから手を回した。

「なに?」
「今日も目玉焼きだけ?」
「うん」
「地味な朝ごはんやな」
「ないよりマシでしょ」
「そりゃそうやけど」

わたしより幾分か背の高い彼が肩に顔を埋める。喋る度に息が当たってくすぐったい。身を捩るも、がっちり抱き締められていて叶わなかった。寝起きなのに、力は強い。

直哉くんは毎回飽きもせずに人の食生活にケチをつける。普段どんな食事をしているのか気になって聞いたことがあるのだが、内緒だとはぐらかされてしまった。問い詰めるほど知りたかったわけでもないので、その話題はそれきりとなった。

「逆に何が食べたいの?」
「分からへん」
「寝ぼけてる?」
「多分……」

肩にぐっと体重がかかる。どうやら本気で眠いらしい。しかし、残念ながらもうあと三十分で出なくてはいけないのだ。会社に行くのはわたしだけなので本来彼は急ぐ必要もないのだが、彼に鍵を渡すことを何となく避けている。流石にそれは踏み込み過ぎな気がしているからだ。

「食べる?」
「うん」
「じゃあ座って待ってて。あ、いや、服着替えて」

焼きあがった卵をお皿に移しながら、わたしの後ろから一向に動かない直哉くんに指示を飛ばす。夜更かしをした次の日の朝はいつもこうだ。わたしの方が体力的に疲れているはずなのに、全くおかしい話である。コトリと二人分の朝食をリビングのテーブルに置いたところで、ようやく直哉くんは目が覚めたようだった。

「あと何分?」
「二十五」
「……今日会社休まへん?」
「ねぇもう時間ないから馬鹿なこと言ってないで食べてよ」
「はいはい」

いただきます、と着替え終わった直哉くんが手を合わせる。わたしは彼のこういうところが結構好きだったりする。金髪だし、ピアスいっぱい開いてるし、言葉遣いも態度も悪いけれど、基本的な所作が美しいのだ。お箸やペンの持ち方、玄関でちゃんと靴を揃えるところなど、好きなところは沢山ある。

もちろん彼には伝えないけれど。

「忘れ物ない?」
「ない」

食べ終わった食器を水を張った桶に突っ込んでから、急いで歯を磨いて彼と共にバタバタと家を出た。わたしが部屋の鍵をかけている間に直哉くんがエレベーターのボタンを押し、到着の音を聞いて急いで乗り込む。それから駅まで一緒に歩き、そこで別れるのがわたし達のいつものお決まりだった。

「あ、今夜来る?」
「気が向いたら」
「分かった」

世の中では「行けたら行く」は行かないやつだとよく言うが、直哉くんのそれは五割くらい行くやつである。とはいえ二分の一の確率なので、わたしは彼を待ったりなどしない。ただいつも通りに過ごすまでだ。

駅の外観が見え出したところでわたしの少し前を歩く彼が、ふと足を止めた。同じようにわたしも立ち止まると、くるりとこちらを振り返った直哉くんがすっと頬へ手を伸ばす。何事かと身構えると、なんとも自然な動作で唇を奪われた。

「ちょっと」
「減るもんでもなし」

誰かに見られたらどうするの、と非難するも彼は何処吹く風でにやりと口角を上げた。よそ行きの赤ピンクのリップが彼の薄い唇に移っている。

「なんか甘いんやけど」
「バニラの香りだからね」
「へぇ」

駅の構内に入ったところで、自ら聞いておきながら別段興味もなさそうな返事をした直哉くんに「じゃあね」と手を振った。彼はわたしにひらりと手を振り返し、人混みの中に紛れて行った。





ここ一週間ほど、直哉くんから連絡が来ることはなかった。そんなときに同期から鍋パーティーでもしないか、と誘われてわたしは二つ返事で了承した。というのも、昨日ホラー映画を見てしまったわたしは一人でいることに怯えていたのだ。人がいてくれるなら、とわたしは自宅でやろうと提案した。仕事終わりに同期である男女四人で鍋の具材やらお酒やらおつまみやらを持ち寄って、華金サイコー!と楽しく過ごすこととなった。

鍋の中身もほとんどなくなり、缶ビール片手に上司の愚痴に花を咲かせていたときだった。聞き慣れた着信音が鳴った。わたしのスマホからだ、と画面を見て、別室に行き応答ボタンを押す。そこまでする理由はただひとつ、電話の相手が直哉くんだからである。

「もしもし?」
「今から行くわ」
「あっ、待って。今わたしの家で同期達と飲んでるんだよね」
「はっ?そうなん?」
「うん、ごめん」
「タイミング悪。もう家出てもうたわ」
「あー、でももうすぐお開きだよ。電車の時間もあるし」
「ほな近所で時間潰すさかい帰ったら連絡して」
「分かった、ごめんね」

ツーツーと電話が切れる。直哉くん、機嫌悪かったなと思いつつ、思わず溜息を零した。彼の言う通り、本当にタイミングが悪い。万が一同期達の前で直哉くんと遭遇でもすれば、あれやこれやと聞き出されることだろう。世間的に見ればわたしと彼の関係性はあまり褒められたものではない。かと言って、恋人だと嘘をつくのも気乗りしなかった。なにせわたしは彼とのこの関係性が気に入っているのだ。

電話を終えて戻ると、同期達がいそいそと片付けを始めていた。いい時間だからそろそろ帰ろうかなと話していたところだったらしい。これなら直哉くんも時間を潰す必要がなさそうだ。

ある程度片付いたところで、あとはわたしがやるからとマンションの下まで同期達を見送った。ありがとう、またねと彼らの姿が小さくなるまで見送ったあと、わたしはその場で電話をかける。相手はもちろん直哉くんである。

「あ、もしもし」
「帰った?」
「うん」
「もう着く」
「分かった」

折り返しが早かったからか、彼の機嫌は多少マシなものになっていたように思えた。これで朝までひと安心だ。一人にならなくて済むことにわたしはほっとした。昨日の映画がかなり堪えているのだ。正直、今この暗さの中に一人なのも結構怖いくらいである。

とりあえず部屋へ戻ろうとエントランスをくぐる直前、わたしの名を呼ぶ声がした。知っている声だ。しかし、直哉くんではない。それは先程まで一緒にいた同期の一人である佐藤くんの声だった。くるりとそちらへ振り返ると、案の定そこには彼がいた。帰ったんじゃなかったのか。

「どうしたの?忘れ物?」
「……いや、ちょっと話があってさ」
「話?」

目線をあちらこちらにさ迷わせる彼を見て、わたしは嫌な予感がした。この感じは、多分告白だ。恋愛感情とは真に厄介なものである。返答次第で仲がこじれる可能性も無きにしも非ず。そんなわけで、今の関係が気に入っているわたしは先手を打つことにした。

「ごめん、今からちょっと人と会う予定あるんだけど……」
「え、っと、今から?こんな時間に?」
「うん、ちょっとね」
「もしかして彼氏、だったりする?」
「あー、いや、そういうんじゃないんだけど」
「男?」
「まぁ、そうだね」

何と表現したものか、と曖昧な返事をすると、彼は突然わたしの手を取り、ぎゅっと握り締めた。何するの、と振りほどこうとしたところで、突然彼が宙を舞う。何が起こったのか分からず固まったわたしに、聞き慣れた声が掛かった。

「人待たせといて何してんねん」

弾かれたように振り返ると、そこでは機嫌が最悪な直哉くんがしかめっ面で地面に伏した同期を睨んでいた。直哉くん、と口から勝手に言葉が漏れる。文字通りぶっ飛ばされた同期の心配よりも、先に彼の名前が出てしまうのだからわたしは大概クズである。

「いったぁ……」

彼の目線の先で同期が頭を押さえて立ち上がった。ここでようやくこの状況は非常にマズイと脳が理解する。これは所謂暴行罪では、と冷や汗ダラダラのわたしをよそに、彼は何を思ったのか同期の元へと歩み寄った。

「君、誰のもんに手ェ出したんか分かっとる?」
「は、お前誰だよ」
「お前?誰に向かってそないな口利いてんねん。ナメとんのかカス」

ヤの付く職業の人よろしく詰め寄る直哉くんに、反抗的な態度を取る同期、それから呆然と立ち竦んでいるわたし。治安が良いことを決め手に借りたマンションの周辺は、まさに混沌と化していた。

直哉くんはわたしに対しても雑な言葉を遣うが、こんな風にキレているところは初めて見た。自分に向けられた感情ではないからか、不思議と怖いとは思わない。ただ少し、知らなかった彼の一面に驚いたくらいだ。

「ちょお部屋上がっとき」
「え、でも、」
「ええからはよ行けや」
「……うん」

直哉くんは突如わたしの方へ振り向いたかと思うと、部屋へ上がるよう促した。当事者のわたしがここにいないのもどうなのかと思ったのだが、強い語気で言われてしまい、わたしは渋々頷いた。

確信も確証もないが、彼が堅気の者ではないことにわたしは薄々気がついていた。同期はどうなってしまうのだろう。東京湾に沈められやしないだろうか。ここは京都だから、沈めるなら瀬戸内海か琵琶湖だろうか、などとくだらない想像がエレベーターを待つわたしの頭にいくつも過ぎった。

部屋に戻るも手持ち無沙汰で、わたしはリビングの片付けをすることにした。鍋やコップを洗って、空き缶などのゴミをまとめる。テーブルをアルコール入りのウエットティッシュで拭き、クッションの位置を直して、ルームスプレーを一振りした。綺麗になった、と満足したところでインターホンが鳴る。わたしが部屋に戻ってから二十分足らずで直哉くんは再び現れた。

勝手知ったる家という様子で彼は部屋に入り、いつもの定位置であるソファの傍に腰を下ろした。とりあえずコップ一杯の麦茶を出すと、彼は一気に呷る。

「同期は、どうしたの」
「家のもんに手ェ回させたさかい問題ないやろ」
「そう、なんだ」

震えた声の質問は、噛み合わない返答で幕を下ろした。同期の安否は結局よく分からないままだが、これ以上聞くのは薮蛇であろう。わたしはまだ生きていたいし、直哉くんから離れるつもりもあまりない。

「ほな次は君やな」
「……えっ?」

そう思っていたわたしは、彼のセリフに大いに驚いて素っ頓狂な声をあげた。次はわたし?殺されるの?と恐怖が身体中に渦巻き、思わず後ずさる。

空間を探るように後ろに回した手に壁があたった。追い詰められた。感情の読めない彼の狐目には、ひどく怯えた顔をしたわたしが映っている。わざと緩慢な動きで、直哉くんは両手をわたしの頭の左右にドンとついた。こんな状況でなければ、顔だけは良い彼のこの行動にときめけたのかもしれない。くだらない想像をしながら、わたしはただ死にたくないなと考えていた。





目の前には薄ら笑いを浮かべた直哉くん、右側には彼の左腕、左側には右腕、後ろの正面は壁である。まぁ要するに、わたしは完全に詰んでいた。

「あの男、誰なん?」

剣呑な雰囲気とは真逆に、優しい声がわたしに問う。あの男とは同期のことを指しているのだろう。わたしに迫り、直哉くんにぶっ飛ばされたあの男である。

「えっと、会社の同期」
「名前は?」
「佐藤」
「下の名前」
「下の名前……なんだっけ。確か平凡な名前だったと思うんだけど……忘れた」

ううん、と頭を捻るも彼の名前は出てこない。なにせ皆、彼のことを「佐藤」と苗字で呼ぶのだ。ファーストネームで呼ぶほど親しくなかったとも言える。社会人として致命的だが、わたしは興味がないことはあまり覚えられないタイプである。

十数秒粘ったのだが、微塵も思い出せる気配がなく、わたしはついに諦めた。忘れたと正直に言えば、直哉くんは一瞬ポカンとした表情をしたかと思うと、さぞおかしそうに笑い声を上げた。その様子を見て、わたしは急に何?と困惑するばかりだ。

「いやァ気の毒やな思て」
「気の毒?誰が?」
「そりゃ佐藤君に決まっとるやん」

一ミリも気の毒に思っていなさそうな直哉くんがあっけらかんと言い放つ。確かに佐藤くんはかなり気の毒である。告白しようとした矢先に別の男が現れ、挙句の果てぶっ飛ばされて詰られたのだから。

今現在、彼がどのような状況に置かれているのかはわたしが勝手に想像するしかないのだが、どう考えても良い方向へ向かっているとは思えない。

「佐藤君言うてたで。君のこと好きらしいわ。自分に気がある、付き合うんだ〜って」
「……うわぁ」

彼から教えられた台詞に思わず顔が引き攣る。もちろん、直哉くんの下手くそなエセ標準語にではない。その内容にだ。そこまで勘違いされていたのかと思うと、途端にひどく気持ち悪くなった。

佐藤くんとの付き合いは入社以来だが、わたしと同じく関東から来た者同士ということでそれなりに話すこともあったと言えばあった。とはいえ、ただそれまでの関係で、わたしは彼に何の感情も抱いていない。可もなく不可もなくといったところだ。

「晴れて今日恋人になったんやて抜かしとったさかいびっくりしたわ」

直哉くんはそう言って、ここにいない男を嘲笑った。

「勘違いもここまできたら罪やで」
「だね……」

流石にあんな話を聞かされては、彼のことを純粋に心配することが出来なくなってしまった。そこであれ?と何かが引っかかる。佐藤くんがわたしの恋人だと騙ったところで、果たして直哉くんが驚くようなポイントはあるだろうか。自分とセフレ関係にあるくせに恋愛をしていたのかという疑問?好きな相手がいるくせにこの関係を続けていたことへの呆れ?それとも。

「ねぇ。もしわたしが本当に佐藤くんと付き合ってたら、会うのやめてた?」

いつだか、ぽつりと漏らしたことがあったかもしれない。どっちかに恋人ができたらこの関係も終わりだね、と。その時、直哉くんは何と答えたんだっけ。

わたしの問いかけに、直哉くんは目線を逸らして考え込むような素振りを見せた後、ぐっと顔を近づけて耳元で囁いた。

「いや、今日とおんなじことしたわ」

彼の息がかかってぞくりと肌が粟立つ。同じこと、それはすなわち。いや、まだそうなったとは決まっていない。わたしが勝手に決めつけているだけに過ぎないのだ。

「くくっ、ビビりすぎとちゃう?」

体を固くしたわたしに、直哉くんが喉の奥で笑った。息を吸い込むと、彼の匂いが広がる。

「会うんやめる?」

先程とは打って変わった甘い声が耳を掠めた。やめると言ったらどうなるのだろう。友人がここにいたら「やめるべきだ」と叱られたかもしれない。

「やめない、けど……」

しかし、わたしが出した答えは「いいえ」だった。それを聞いて、直哉くんは満足そうに目を細めて手を下ろす。その流れでわたしの顎を掬い、優しくキスをした。角度を変えて、深さを変えて何度も繰り返される。頭の中に回っていた同期のことなど、いとも簡単に消えてしまった。

苗字も知らないし、年齢も血液型も誕生日だって知らない。知っているのは朝に弱いことと、トマトが嫌いなこと、やけに騎乗位をさせたがることくらいだ。あと、トマトは駄目なのにケチャップは平気なこと。そんなことしか知らないくせに、わたしは彼を選んでしまうのだから、本当にどうかしている。

「……恋人ができるまでね」
「何が?」
「こういうの」
「できるとええなぁ」
「そうだね」

薄く笑った直哉くんがわたしの背中と膝裏に手を入れて軽々と持ち上げる。ベッドに下ろされた後は彼にされるがままであった。リビングに置きっぱなしのわたしの携帯端末に通知が入るも、ベッドのスプリングが軋む音と自分の甘い声に掻き消されたせいでわたしの耳には入らなかった。彼がそれに気づいたかどうかは分からない。

翌朝、いつもの如く彼より早く起きたわたしは顔を洗うために洗面所へ行く途中、リビングのテーブルに置いたままのスマホをチェックした。今日は休みなので仕事の連絡はない。通販サイトの宣伝メールの他に入っていたメッセージはただ一つ、昨日鍋パーティを共に囲んだ同期からのものだった。


『佐藤くんと連絡取れないんだけど、何か知ってる?』


わたしは一瞬息を飲んだ。ちらりと扉を開け放している寝室の方を見やる。射し込む太陽から逃れるように布団を被った直哉くんがいつも通り寝息を立てていた。わたしは「ごめん、知らない〜!寝てるんじゃない?」と返し、メッセージアプリを閉じた。代わりにニュースアプリを開こうとして、結局やめた。この関係はまだ終わらない。



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