腕を伸ばして、シュラの背中にそっと手を回した。
彼の広い背中の触れる部分から伝わる確かな存在に、何故だか心が激しく高揚した。


「そうね、シュラ。貴方が今、したいと思ってる事。ココで実行して。」
「良いのか、彩香? 疲れているのだろう?」
「シュラが証拠を見せてくれたら、きっとグッスリ眠れるわ。朝まで気持ち良くね。」


シュラの首へと柔らかに腕を回し、触れるスレスレまで唇を近付けた。
だが、それも束の間、また直ぐに距離を取る。
その意識した小悪魔な仕草に、シュラの漆黒の瞳が熱で揺れたのが分かった。


「分かっているのか、彩香?」
「何が?」
「自分がどれだけセクシーか、って事だ。」


分かってる。
でも、それはシュラにだけ。
シュラだけが見ることの許された『特別』なの。
この視線はね、ただ貴方だけに効く特殊な魔法なのよ。
他の誰にも見せないの。


「ね、シュラ。今直ぐ愛してくれる?」
「あぁ。ベッドへ行こう。このまま抱えていってやる。」
「駄目よ、待ちきれない。いつもより……、激しく愛して?」
「……分かった。」


ゴクリと鳴るシュラの喉。
大きく動いたその喉の隆起に、私の心の高揚は一気に跳ね上がり、そして、ギラリと光る漆黒の瞳に、彼も同じように高揚しているのだと気付く。


その瞬間、シュラの手が掬い上げるように私を押し倒し、自由を奪われた。
どうやら私は、彼の心に燃え盛る炎のような火を点けてしまったらしい。
瞬く間に獰猛な獣と化したシュラに、あっという間に服を脱がされ、後ろから圧し掛かられて。
部屋に響く自分の艶かしい嬌声が、どこか遠くから聞こえているような気がした。



夜のしじまに溶けて二人、どこまでも沈んでいきたい



シュラの情熱を身体中に受けて、その熱に浸り、耽り、そして、飲み込まれて。
心も身体もトロトロに溶けてしまった私は、甘いハチミツの海に溺れていくような、そんな感覚の中、深い眠りに落ちた。
シュラの腕の中、全身に激しい愛の余韻を感じながら……。



‐end‐





どうやらウチの山羊さまは、一つ下の宮の(エ)ロスなお兄さんの影響をモロに受けまくっているようです。
セクシーフェロモン垂れ流しながら、ERO暴走し出しました。
これは良い傾向ですね(笑)
山羊さんの色気は、ある意味、犯罪級だと思います^^

2008.06.20



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