未だ消えない悦楽の余韻を残す身体を、シュラの大きな身体に預けて。
シュラと私はポツリポツリと会話を紡ぎ、二人の時間を重ねていた。
何気なく交わす言葉の一つ一つも、あの満ち足りた行為の後では、不思議と心地良い。


「何度、身体が壊れるかと思ったかしれないわ。こんな風にゆったりと愛し合えるなんて、あの時は、夢にも思えなかった。」
「仕方なかろう。俺はずっと、彩香に飢えていたのだからな。野獣にもなるさ。」
「ずっと? 出逢ってから付き合うまで、そんなに長くはなかったわよね、私達。」
「そうだな。」
「だったら――。」


言い掛けた私の言葉を、シュラの長い指が押し止めた。
そのまま、その指は唇の感触を確かめながら表面を滑り、流れるままに顎をクイッと持ち上げる。
上げた視線の目の前には、息を飲む程に端整なシュラの顔、熱い眼差し。
ニッと口の端に浮かんだ笑みがセクシーだわ。
なんて思った時には、チュッと軽く唇を啄ばまれていた。


「お前以外の女を、女として認識した事は一度もない。この身体が反応したのは彩香、お前だけ。欲しいのは彩香だけだ。俺は生まれた時から、ずっと彩香を探し、求めていた。だから、この二十三年、ずっと飢えていたんだ、お前にな。」
「シュラ……。」


私の腰に回していた腕が伸び、思わせ振りに肌を辿る指。
お腹とお臍の周辺を、指先で軽く円を描くように触れる、優しく優しく。
こそばゆいようで、それでいて、先程の快感を呼び戻すような絶妙な力加減。
何一つ、決定的な刺激を与えられている訳でもないのに、身体の内側にポッと熱の花が咲く。


「やっと逢えた、愛しい女に。だから、一生を掛けてお前を愛しても、まだ足りないくらいだ。」
「良く言えるわね。恥ずかし気もなく、そんな台詞。」
「本心だからな。俺はすっかり、彩香と彩香の身体の虜になってしまったんだ。」


そんな事を言われては、勝手に身体の奥が騒ぎ出す。
ゾワリゾワリ。
湧き上がる熱い疼きに、堪らず身体を捻ったのを見て取って、シュラは口角に浮かべた笑みを、更に深めてみせた。
それは、始まりの合図。
慣れた仕草で身体の側面をなぞり、そこから伝って、背骨、首筋へと愛撫を始めたシュラの手は熱く。
その手に過敏に反応した私の肌は、これから起こるだろう歓喜の予感に、しっとりと粟立った。



指先が紡ぐ、至高の時間
(それはきっと果てしなく)



「ここから、どうされたい、彩香?」
「んっ、いつものように……、あっ。ああっ。」
「ならばじっくりと、俺を味わってくれ。お前の身体全部で。」
「あっ、い、いいっ……、シュラぁ……。」


貴方も、私の身体を味わって。
心ゆくまで、何度でも。
貴方の身体全部で、私の身体全部を、一生掛けて味わって。



‐end‐





山羊さま増産・第二弾。
まったりピロートークだよ、でも、最終的には二回戦! でした(笑)
野獣で激しい山羊さまも好きなのですが、セクシー山羊さまと、じっくりしっとりたっぷりスローセックスを楽しむのも良いんじゃないかと思ったわけです。
どうも最近、スローセックスな話に燃え上がる自分がいる(苦笑)
結果より、過程を楽しむ、山羊のERO、って事で、ねw

2011.08.14



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