【ふたりへのお題ったー】
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【 カイアンへのお題 】

・誓って、誓いあって
・「きらい、だった。」
・ふたりだから、終わらないよ

(Cエンディング)



「我らの契約はここに終了する」


其れが紅き竜なりの死刑宣告だったらしい。

詫びの言葉など初めて聞いたが、それも竜なりの冥土の土産というやつかも知れない。

誓って、誓いあって。血や肉の繋がりより深く強く己の内を侵食せしめていた煩わしさから、漸く解放された筈なのに。


「きらい、だった。」


吐き出した言葉は紅竜の猛火に霧散した。
もう伝わらないのか、何もかも。ならば何故、竜の次の動作が読めてしまうのか。その感情の機微すら、恐らく寸分も違わず。
紅竜は遠慮会釈なく攻撃の手を緩めず、此方とてそれは同様。

──相手の心に添う。

まだ父母が健在だった頃。
妹にせがまれて舞踏の練習に付き合わされた時、教師が言っていた台詞を。何故、今、思い出すのか。


浮かんだ笑みは、肉を断つ愉悦とは違うものだった。


(ふたりだから、終わらないよ)


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こんなの終わらせられねぇよ…!と思っていた、当時。


2016/04/17 ( 0 )





【ケンカップルったー】
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シンジュはプリンを食べられ喧嘩になり最終的に無理矢理に、結局折れて謝ります



日付も変わろうかという夜も深い時間に大の男の雄叫びが響いた。

「ジュダル!お前勝手に冷蔵庫の中漁っただろう!?」

どかどかと足音荒く歩いてきた男の手にはスプーンが握られていて、ジュダルはあれの事かと頭の端の方でチラリと考えた。

「それが?」
「開き直るなよ!」

怒鳴られても視線を上げず、ソファーに寝そべったまま漫画雑誌を読み耽るジュダルにシンドバッドは詰め寄ろうとしたが、歩きながら膝から崩れてソファーに顔を埋めて終わった。

「…あーもーダメだ……灰になりそう……」
「プリンくらいまた買ってこいよ」

覇気も失せた声にジュダルも思わず雑誌から傍らで跪く大人に視線を移す。

「バッカおまえなぁ、数量限定プレミアム仕様だったんだよ。週末の愉しみを糧に今週超頑張ったのに」
「ちょーって言うなオッサン。オレを無視するからだザマミロ」
「もーおまえ帰れ!今週は構えないって言ってあっただろ!毎日毎日なんでいる!?」
「だから邪魔しないでやっただろーが!」
「いるだけで邪魔なんだ!」

シンドバッドが思わず本音を漏らしたと同時、その頭頂部を衝撃が襲う。目の前の床に投げ出された雑誌で叩かれたのだと悟り、痛む頭を押さえる間にジュダルが立ち上がった。

「帰る」
「かえる?…のか?今?」

こんな深夜に歩いて、とシンドバッドは時計を見てから慌てて後を追いかけ、既に靴を履いていたジュダルの腕を捕まえる。

「待て、帰るなら途中まで送るから」
「止めねぇのかよ!」
「何だ?泊めて欲しかったのか?」

腕を振り払って怒鳴るジュダルの文句を聞き流し、シンドバッドは財布だけ掴んでジュダルの背後から追い立てるように部屋の外に押し出す。すぐにマンションのエレベーターまで辿り着き、二人きりの狭い空間でシンドバッドは大きく溜め息を吐いた。

「あー…甘いものが食いたい…」
「あ?甘やかされたいって?」
「言ってない」

もうコンビニスイーツでも構わんな。と思っていたシンドバッドはジュダルの徒口を切って捨てたが、ジュダルは鼻で笑った。

「溜まってんだろ」

イライラしてるもんな。と嘲笑混じりに言われてシンドバッドは噎せた。イライラしてるのは寝不足とストレスと目の前の誰かのせいなのだが、自覚を持ってしまえば今週は忙しくてそんな暇はなかった、先週はどうだったかとそればかり意識してしまう。

「でもお前が帰れって言ったからオレは帰る」

マジか。
シンドバッドは思わず勢いよく振り向いてしまったが、ジュダルは顔を逸らしたまま頑として目を合わせようとしない。
エレベーターの扉が開いてシンドバッドは外に出たが、隣の気配がついてこない事に気がついて振り返れば、ジュダルはエレベーター内で壁を向いたまま動いていなかった。

「帰るんじゃなかったのか?」
「帰っていーのかよ」

いいかと言われると微妙だが。
素直じゃないというかめんどくさい性格というか、結局折れてしまう自分が甘いのか。
シンドバッドは呆れた溜め息を吐きながら、ジュダルが欲しいだろう言葉を頭を下げて言ってやる。

「……スミマセンでした」

遅ぇよバカ、と小さく弾んだ声が耳に届いた。


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プリンが絶対条件なので現代人になりました。私が書く覇王は安くてすみません。
拍手御礼だったもの。


2015/03/09 ( 0 )





【ケンカップルったー】
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蓮キョはAVを隠していたのがバレ喧嘩になり最終的に認めず、噛みつくキスをします



「…………、………………。」

二度見した。
剰え二度見を二回したのだが、それは幻覚でもなく確かに目の前に存在していた。
状況を整理しよう。
思って、二度見したDVDを手に立ち尽くす。
表を見ても裏を返しても確かにDVDである。中は、確認してはいないが恐らく想像と大きく違いはしないだろう。何故なら未開封だから。

「蓮さーん、荷物届きャアアアァァァ!!!」

紆余曲折を経て、恋人の地位を得てから地道に説得を重ね、やっと同棲に漕ぎ着けてめでたく本日付けで引っ越してきた彼女は、絶叫しつつDVDを奪うと素早く脱いだエプロンで包んで部屋の隅へ投げ捨てた。

「ななんであれみたですかいやまってあれを」
「うん、ごめん、なんか、荷物の一番上にあって、目に入って」
「あああああ置いたままインターホン出ちゃったああああ」
「そこに、届いたクローゼットを置こうかと思って、悪いとは思ったけどキョーコの荷物を勝手に移動させようと思って、荷物の一番上にあって目に入って」

そう、問題はあのDVDが自分の荷物からではなく、愛しい彼女の荷物から出てきたという事だ。純粋で純朴なこの娘の荷物からx-rated videoが出てくるとは思いもよらなかった。ちょっと動揺が治まらない。

「違うんです!アレは!別に見っ、見たい訳じゃなくて」
「ああ、なんだ……どっちに貰ったの?」
「え?貰う?」
「自分が出てるDVDだからって、よく貰うよね」
「よく貰うんですか?アダルトビデオを?ご本人に!?」
「え?うん」
「……へぇー……よく、貰うんですか……出演者に、ねぇー……」
「あれ?」

貰った物だから処分も出来ずに、それでも封も開けずに所持していたんじゃないのか。

「……貰ったんじゃないの?」
「生憎庶民の私なんぞは有名人の敦賀さんと違ってそんなモザイクチックな方と知り合う機会などありませんから」
「じゃあ、どうして、あんなものを持っていたんだ?」
「あ」

気分が急降下しているのが自分でも判る。
知人に譲られたというなら、何て事してくれたんだと相手を恨みながらも今度から断ってねと微笑みつつ諭そうと思っていたのに。

「……これは貰ったんデス」
「今さらだよ。どうして?」
「コレハ貰ったノデス」

部屋の隅に捨てられたDVD内包エプロンの前に踞るキョーコの背中が拒絶しているように見える。純潔は守ると言いながら、興味はあった訳だ。興味はあったのに、未成年とか未経験とか心の準備がとか言われて、受け入れられる事はないのに待ち続けていたなんて滑稽な話だ。

「ひとがどれだけ我慢して」
「わかってますよぅ…」

え。
返事がきた。
と思ったら、脳内論争が漏れてる事に気づいていないようだ。隅に踞ったまま何かを呟き続けている。

「私だってですね、覚悟を決めてはいるものの妖精規格の人にはわかりませんよどうせ典型的古典日本人体型ですよ。しかも真っ白なんです情報皆無で夜の帝王に太刀打ちなんて無理です絶対無理!こっちこないで!せめてハウツー動画で予習させて下さい!なのに女性教師に騙された!詐欺だわ!もう待てないとかや〜め〜て〜見せないで〜〜」

ちょっと待てキョーコ脳内の俺(多分)。まさか本物より先に脱いでいるのか。
踞ったままのキョーコの肩を揺すって振り向かせるけれど視線が定まってない。

「ちょ、キョーコ、キョーコ。戻ってきて」
「ぅはァっ!私は今どこに…!?」
「ずっと俺の目の前にいました。ごめん。もう解ったから」
「え…?…そ、そうですか!ではアレは貰ったノデスと信じて」
「本番を前にマニュアルDVDで予習をしようと思って女性教師のパッケージを選んだら全然際どい内容で開封も返品も出来なかったという事が解ったよ」
「イにゃぁあああああ!!」

頭の中覗きましたね!と顔を真っ赤にして怒るキョーコが涙目で可愛すぎてどうしてくれよう。彼女は彼女なりに俺を受け入れようと努力してくれていたんだと思うと無性に嬉しい。
暴れるキョーコを腕の中に閉じ込めて、誤解してごめんと謝罪する前に、キョーコ曰く贅沢というより広すぎて無駄に落ち着かないらしいベッドが目に入った。……いいかな。いいよね。

「違いますから!貰ったんですから!」
「うん、わかったから……キョーコ、明日は撮影なかったよね?」
「明日?」

怒りながら、すん、と鼻を啜るキョーコの旋毛にキスをすると、潤んだ目で見上げて傾げた首筋が。うん、無理。

「明日は、えっと、あ、きまぐれの坊がいッたァーい!」
「……ごめん」

鶏君は地雷だから。
このまま目の前のベッドでなし崩しに、と思ったけれど。思わず首に歯を立ててしまった今、噛みつく事が愛情表現の男だとインプットされそうで困る。

「何て言うんだっけ、こういう状況……」
「なんなんですかぁ〜」
「あ、そうか。あれだ」

噛まれた首辺りを両手で庇いながらキョーコが困惑しきった声で言うのに、どこかで聞いたセリフを思い出す。

「今日はこれくらいで許してやる」

続きはまた今度という期待も込めて見たキョーコは、これくらいってどういう意味ですか次は食い千切ってやるからなと云う…!? と震える声で呟きながら全身の血の気が引いていた。


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両想いでも意思疎通は全く儘なってなかった(ら、いいな)という話。
次の日、朝にはあら兄さんとお揃いvv?(照)なのが夜には仕返しなんていじめっ子!(怒)になり敦賀さんはおろおろするというような。
拍手御礼だったもの。


2015/03/09 ( 0 )





【ケンカップルったー】
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カイリンはどっちが先に好きになったかで喧嘩になり最終的に丸め込んで、雪崩れ込むようにえっちに突入します



その時、カイトの部屋の前を通ったミクは、中からリンの声が聞こえて足を止めたと云う。

「今さら止めらんないよ…」
「ちょっと待って、落ち着いて」
「無理。嫌…?」
「嫌な訳じゃなくて、でもさ」
「もう我慢できない……シようよ?」
「ちょっ、まじでッ」
「リンちゃんになにしてるのー!!」

通りすがりで聞き取れる音量ではなかった筈だけれど、ミクはこの時の声は廊下まで聞こえていたと主張している。

「ミク!?」
「カイト!リンちゃん連れ込んで………………何されてる?」

百叩きにしてやると振りかぶったネギはへろへろとさまよい落ちカイトの顔に着地した。ネギ臭っ、という声は無視だ。
予想という名の妄想では、兄の皮を被ったケダモノが最愛の妹に襲い掛かろうとしていた筈なのに、目の前では可愛い可愛い妹分がカイトのマフラーを剥ぎ取りその前を寛げその腹の上に跨がっていた。

「もォ〜!ミク姉〜なんで邪魔するのー」
「リンちゃん目を覚まして!こんな青マフラーリンちゃんにふさわしくないよ!」
「マフラーが似合わないみたいになってるよ」
「黙れヘタレが!」

カイトのぬるいツッコミを一蹴し、ミクは地団駄を踏みまくる。床が抜けるかマッハで走り出すかというところに、優雅に現れたのはルカだった。

「あらあら貴方達、これはいけません」

静かに言うが、少し息が弾んでいるのは誤魔化せていなかった。恐らくミクの絶叫に、溺愛する先輩の窮地と慌てて駆けつけたのだろう。

「よくご覧になって?Themeはリンカイではなくカイリンです。カイトさんが上から襲い掛からなくては。これでは、……襲い受け?女攻め?」
「なにそれ?」
「余計なこと言わなくていいから!」

バイリンガル設定は無駄にエロを強調する仕様だった。リンの目が期待に輝いたのをカイトが否定するように焦ってマフラーを巻き直したが、コートの前は寛いだままだ。

「……説明しなさい」

突然現れた、赤く燃える憤怒のオーラを背負った年長者が、腕を組んで二人を見下ろす。
リンとカイトは怒れる長姉の前に正座をして、襲い受けを説明しようとしだすルカの口をレンが塞いで黙らせた。

「リンの方が先にカイトくん好きになったんだから、カイトくんはリンのいうこと聞かなくちゃダメだよ!ってなった」

末妹は彼女なりに整理して話してみたが、何故かミクがみんなのリンちゃんなのにとネギを握り締めわんわん泣き出した。

「意味わかんないけどこれ以上拒否ったら怒って泣いちゃうかなと思って」

可哀想じゃないかと無体を強いられた兄役は肩を竦めた。もう一人の妹が泣いても喚いても心は痛まないらしい。

「泣かないよ!」
「泣きそうだったもん」
「泣ーいーてーなーいー!」
「だからって、限度ってものがあるでしょう!R指定入れられたいの!」
「すみません勘弁して下さい」

説教中に痴話喧嘩を始めた兄妹にメイコは怒鳴り、カイトは正座したまま両手をついた。
ルカの口を塞いでいたレンが不思議そうな顔をしてリンを見る。

「早い者勝ちなら、リンがカイトのいうこと聞けよ」
「えー!なんでよー!?」
「だっておまえ確か、何回か会った後だろ、カイト兄がいいとか言い出したの。カイトは一目惚れだったって聞いた気がするし」
「レン君庇ってくれてありがとうでも何で今言った」

弟妹喧嘩を始めた双子に、止めることも間に合わなかったカイトは正座のまま目を反らすしかない。
上から刺さる視線は三人分、睨み見下すメイコを筆頭に、鬼の形相でネギを手折るミクと舌打ちするルカ。悪寒が止まらない。

「ロリ誘拐か」
「歩くR指定が!」
「マジキチですわ」


それ以降、一人を除いてカイトを見る女性陣の視線が痛いほど冷たくなった。


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マジでキ〇ガイじみてるからやめろ、の略だそうです。
一家は、発売順に家に来て、年齢(?)順に姉兄妹妹弟妹という設定です。なのでルカ嬢はリンより後輩だけれど姉である。マスター等の持ち主設定はありません。
拍手御礼だったもの。


2015/03/09 ( 0 )





今年は拙宅(拙blog?)を訪問下さりありがとうございました
来年も引き続きのご愛顧宜しくお願い致します
 智花 拝 



本当は今年中に
・スキビの人魚ネタ、
・蓮キョで半分パラレルの吸血鬼ネタ、
・マギで十二国記パロ、
・ボカロで大正時代パロ、
を完結するつもり できる訳ねェだろうが!と今書いてて思いました。
新年からの目標にします。
頑張ろう。

とにかく人魚ネタは、今年中に終わらせると言った手前、急ぎたいと思います。年末までには間に合いません。すみません。


御覧下さった方にとって、
来年が佳い年でありますように。(∨人∨)


2014/12/30 ( 0 )




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