なんと今月も消しゴムです。
消す箇所が見える透明な消しゴム。同社を代表する
レーダー消しゴムの新種。
2019年9月発売、塩ビ、ベトナム製。
寒天のような透明度。巻紙(スリーブ)も紙ではなく透明ポリプロピレン製。開封リボンなし。
◆消字力:優良〜良
消しかす:少なめ、多少まとまる
消耗:遅い(減りにくい)
消し心地:硬く重い
折れにくさ:折れにくい
†紙はコクヨキャンパス
画像の上1行めは、書いて消す行為を1回、5行めはそれを5回繰り返したもの。
左から
ぺんてるAinシュタイン0.3HB、
パイロット ネオックスG 0.9HB、
三菱ナノダイヤえんぴつB、
三菱ナノダイヤ0.9HB小学生向け鉛筆の標準的な芯硬度がHBから2Bへ移った現在、この反復消字試験(と呼んでる)の内容をちょっと変えました。
Ainシュタインを0.2mm / HBへ、ネオックスGとナノダイヤえんぴつを2Bへ変更。
左から
ぺんてるAinシュタイン0.2HB、パイロット ネオックスG 0.9 / 2B、三菱ナノダイヤえんぴつ2B、三菱ナノダイヤ0.9HB
色が濃いナノダイヤえんぴつ2Bも消せるけれど、軽い力で消そうとすると、紙上の黒鉛を伸ばしてしまう難点があり、さらに消しゴム側に黒鉛がべったり付きます。
HBシャーペン芯では2B鉛筆ほど黒ずみません。
なので、軽く消すひとは軟芯鉛筆を避けるか、ふだんより圧力をかけて消します。
※2021年9月24日追記:気温25℃以上になったら軽い力でも消せるようになりました。夏用消しゴムに思います。
代わりに、元製品レーダーよりたいへん折れにくく、消しゴムを折ってしまうような圧力に耐えられる特性があります。
以上のことから、細芯シャーペンで書き、体力が向上した中高生に適しているんじゃないでしょうか。
透明なのは消字箇所を見ながら消すため、なのだそうですが、プリズムと同じく光が屈折してしまうので、紙面に斜めに当てず(カドを当てず)、長辺を当てるように(横倒しになるように)します。
この特性を活かすには慣れを要すると感じました。
透明PPスリーブが消しゴム生地に貼りつき、不意にひっこみません。と同時に引き出しにくい。
新品時は消しゴム表面に粉末がまぶされ、貼りつきにくくされています。
硬い消しゴムはおおむね硬芯や細芯を消しやすく、製図用としても悪くないと思いますが、筆跡を伸ばす傾向がやはり多少あります。
また、力をこめて消すと透写紙を破くかもしれないので注意。
製図には
同社レーダーポイントがいいかな。あちらも硬め。
前述通り、消字力が優秀であるけれど、紙上の黒鉛を伸ばしてしまうクセがある消しゴム。
本品より消字力が低い前回の
クツワ磁ケシのほうが軽く消せて扱いやすかった。消字力が低いといっても、何度も書き直すことがなければ十分実用に耐えます。
完璧なものはそうそうなく、あらゆる道具はおしなべて不完全なため、その限界や欠点を把握すると完璧に扱えます。
といって開発設計側がその不完全性定理に易々と甘んじてはなりません。
価格は従来品の1.7倍〜2倍のインフレ価格。
これがコスト増インフレなのか需要増インフレなのかわかりませんが、本品はよく売れているそうで一時入荷待ちになるほどでした。
人気がある=転売価値がある、なので割高で転売されることがあります。標準価格は小100円、大150円ともに税別。
透明消しゴムはだいたい硬め。ちゃんと消せますが、鉛筆や紙を選り好みする印象があります。
左側に写っているのは、このブログで取り上げた
ミランTROXや
KUMコレクトリ、
コクヨ リサーレ フローズンカラー。最も透明なのがクリアレーダー。
右側は上から、
カランダッシュの透明なテクニック0171.420製図用、緑色は不透明なアーティスト0173.420筆記用。
ロットリングとKoh-I-Noorラピッドグラフの製図インク用消しゴムは透写紙・製図フィルム/製図インク用。普通紙/鉛筆用ではありませんが、鉛筆も一応消せます。
ともに透明黄色ですが、開封したロットリングT20は濁って変色しました。
なお競合他社ステッドラーとファーバーカステルにも青と透明緑の製図インク消しゴムがありました。
次回は折れにくさを売りにした
トンボ モノタフ。
クリアレーダーと同じく折れない消しゴムですが、感触がかなり違い、なめらかに消せます。
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