両端に鉛筆をくわえられる双頭式鉛筆補助軸。
東京スライダ武蔵と同形式ながら、あれよりぐらつかない削り出しチャックを採用したもの。
なまえシールとベルマークつき、2015年発売、中国製。
双頭式ではないRH014色軸と、RH016廉価版二本組もあります。
鉛筆はどれも同じに見えますが各国各社各製品によって異なり、おおむね日本製が太く、欧米ものが細い軸径です。
本品の削り出しチャックはどちらにも対応し、鉛筆がぐらつきません。
とはいえ加工が粗く、ねじを締めるとそのガサガサした粗さが伝わり、チャック内側のバリで鉛筆が傷つくこともあり、なんというか、褒められた品質ではないんですけど実用性が高く、愛用者も多いようです。
旧来のプレス加工チャックと比べてみましょう。
- 本品削り出しチャック、
- 先端部 (前方内径):φ6.9mm〜φ7.9mm
- 内奥 (後方内径):φ7.8〜φ7.9
- 胴軸内径 (推定):φ9.4
- 従来品プレス加工チャック、
- 先端部:φ6.8〜φ8.4
- 内奥:φ8.4〜φ8.6
- 胴軸内径 (推定):φ8.8
プレス加工品では内奥が広く、鉛筆がぐらつく隙間があります。
対し本品の削り出しチャックでは内奥内径が鉛筆と同程度しかなく、ぐらつく隙間がないのです。
包装取説に「
緩い場合は鉛筆(略)にテープを巻いて」とありますが、その必要なく装着したまま鉛筆削りで削れます。
削るためには鉛筆を補助軸から引き出さなければなりませんけども。
根本的な仕組みが旧来と同じながら削り出し部品で確実に鉛筆をつかむ特性は
ステッドラー900 25補助軸にもあり、こちらよりずっと高い、いや標準的な精度で製造されています。
双頭式補助軸は、短い鉛筆二本を前後に装着して一本化することも、二色を一本化して使い分けることも、また貫通型なので長い新品鉛筆を長いまま使うことも、消しゴム装着もできます。
→工房Q - お気に入りの鉛筆を消しゴム付き鉛筆にするスグレ技(リンク先で紹介された三菱EノックEH-200/-205は廃番、替ゴム代用品にはステッドラー528 25がある)
同社ペンケシ記事で、ペンケシが
トンボ モノワンの競合品として発売されたのではないかと書きましたけど、この双頭式補助軸に組みこむためだったのかもしれません。
黒鉛鉛筆(ふつうの鉛筆)を消しゴム鉛筆や色鉛筆と組み合わせる場合、ふさわしい鉛筆削りは同社トガール。黒鉛芯を鋭く、消しゴムや赤鉛筆側を鈍く削れます。
二本持ってますが、どちらもチャック内径が両端でわずかに違い、片方がほんのちょっと狭いんです。
意図的なのか製造公差の範囲内かはわかりませんが、ペンケシは軸径が太めなので、ゆるいほうに装着します。
また2015年に買ったものと2016年に買ったものとでは寸法がちょっと違います。
新しいものは、百円ショップで売られる細い中国製鉛筆φ7.3mmや通販くらいでしか買えないKoh-I-Noor数独鉛筆1350 φ7.1mmも把持できます。
他方、三角軸が合わない場合があります。あれは六角軸より直径が太いんです。
ステッドラー マルスエルゴソフト150やノリスエルゴソフト152では塗装が削られます。
トンボippo!三角軸やファーバーカステル グリップ2001、リラ グルーヴスリムは入ります。
奇妙なのは一方が青色なこと。その理由はアニメータ向けを想定して青鉛筆用にしたため、とウェブのどこかで読んだ記憶があるんですが、確認のためにあらためて検索したら見つけられなかった。
グリップを姉妹品RH014と交換して黒やピンクへ変えられます。赤があれば便利だった。
今回で休止します。