深海にて39


※ サンキュー回
※ 葵ちゃんの一人称でかなりひどい
※ リアル系の女のこの成長と性
※ ただの長いえろ



そのひとがふれたから、私は魚になった
そのひとがふれたから、私はこうしていられる
そのひとが、ふれてくれたから。



*****



 初めて、私と男鹿のくちびるとくちびるが触れたとき、ピリピリするくらいに細やかで、今まで感じたことのない、体をくねらせたくなるような、そんな感触のなか、長く、できるだけながく、もっとキスをしていたかった。それが、触れあうだけのキスの、初めての印象だった。あのとき触れあっただけなのに、これ以上のことが恐いくらい、もっとこれが続けばいいのに。そう思う感覚が長くなったから、怖かった。それは、男鹿も一緒だったみたいだ。彼がいったわけじゃない、でも、男鹿の不器用で分かりやすい態度でハッキリしていた。これ以上にベタつくのは危険だ、と。でも、怖さよりも今の感覚をもっと、と思う欲望のほうが強くて、私も男鹿も、バカみたいにのまれてしまった。
 バカみたいにのまれてしまった。

 学生ということもあって、いちゃいちゃとくっつく場所なんてどこにもない。不純異性交遊だなんてバカみたいに分かりづらくてヤラシイ名前で呼ばれたくないと思いながらも、そうシたいのだと気づくのは互いが互いを触れられない期間。ほんとうは意味なんてなく溶け合うくらいにあなたに触っていたいと思うほど、きっと私は焦がれてる。それこそが溺れていく理由なんだと分かっていても、オトナがハマる気持ちよさとか、心地よさというものなのだから、オトナよりも少しだけ子どもの私たちがドップリとハマらないはずがない。好きなひとと触れ合うということは心底すてきなことで、とっても危険なくらいソレばかり考えてしまうほどにハマってしまうことなのだということを。ハマってみなければ、誰もがきっと解らない。甘美という、言葉の意味を。



 私はこころのなかだけで、ひっそりと思っている。あなたの、あんなとこが可愛い、だなんて。バカにしてるわけじゃあもちろんないのだけど、ぱくぱくとするそこを可愛いと言葉にしてしまったのなら、きっと『男のなんちゃら?(矜持?とかいうやつかもしれない)』であらわにしてくれなくなるかもしれないのだし。私のそこにあたるところは、あなたは見放題に見ているくせに、なんて苦々しく思っているときは、ほんの数秒。ほんとうは、見られていることすらも、とてもとても、恥ずかしいけれど嬉しくてたまらない、あられもない喜びだということは分かっていて、知らないふりを決め込んでいるだけのこと。これは口にも墓場でも出さない内緒の気持ち。そんな私のことを、あなたはいつだってあらわにしていく。


「だっ……、だめっ…!」
 いつだって本気で私はいっている。けれどもそれを受け入れることのないあなた。私の言葉が口だけのものだと、分かっていてあなたは私をいつも追い詰める。その追い込み方は、あまりに甘くて、かつ、ピリピリするような今までにない感覚のなかで生まれるもの。
 今の私といったら、恥ずかしいとしかいえない格好を、男鹿によってさせられている。足を抱え込まれて、彼の両肩に乗せられている。股間は男鹿にミエミエだとしかいえないあられもない姿で私は、だめだと意味のない懇願の言葉を、腰を捩りながら口走るだけの無意味な存在に成り下がる。ほんとうはこの行為も無意味だと知っている。けれども、彼のすべてに従っているだけなのは癪に障る。だから、私はいつだって腑に落ちきらないなにかがあれば、そうじゃないと逃れようという動きをする。
 男鹿はそんな私を置き去りに、まだ付けたままだった最後の砦といわんばかりの、ショーツを指二本で軽く脇に退けてしまう。そのときの男鹿の表情は、まるで、肉食獣が獲物を見つけたみたいな、目を爛々と輝かせた浅ましいと一般的にいわれるであろう姿で。だが、そんな目の色も私にとっては色香のあるそれ。ねぇ、そんな目をして。あなたは私を美味しい獲物と思ってくれているのかな? だったら、実はそれってとっても嬉しくて恥ずかしくて、ヤラシくてもっともっとシテほしい不思議なこと。と、こんなこと口にも目にもできずに逸らしたまま。男鹿の手は逸らした目をなんとも思わずに流してくれていた。脇に退けられたショーツはこのときから邪魔なものと成り下がった。私にとっては、今じゃないいつもは大事なものなのだけれど。
「あっ、あ、…ん、…っうぅん、っだ、男鹿…っ」
 声がもれたのは男鹿のせいだ。なんの前触れもなしに彼は指で敏感なところの周りをクリクリと指で撫ぜた。その感触で私はもっともっとあなたに、男鹿に合わせてどんどんと敏感になっていく。望んでいる、いないに関わらなくても、そんなことなど男鹿にはまったく関係ないようで。私は望まないのに声を抑えられない。男鹿がゆるく撫ぜる指の動きがあまりに、私を、追い詰めるようで。アソコの周りをくるくると回る動き。男鹿の吐息が近い。それ自体がヤラシい。
「腰、動いてっし」
 そんなこと、いわれなくったって理解している。こんなとき私はいつも悔しい。男鹿にやられるばかりの自分という存在が。男鹿だってほんとうはもっとしたいくせに我慢しているのも、私は分かっている。追い詰められているのは私。追い詰めているのも私。私たちのこんな触れ合いはいつだって余裕なんてない。ぬるぬるで汗だく。余裕そうな様子を外すのなんてほんとうは簡単なのだけれど、いつだって男鹿には優越であってほしいとも思うのだから、私というやつはどこまで勝手なんだろう。
 くちゅり、と水にふれる音がする。そこは水じゃなくて私の中心部なのに、いつだって男鹿にさわられてしまえば水の音がする。表面だけをゆるうく撫ぜて、私の様子を観察するのが最近の男鹿の楽しみなのだという。いじわるでエッチ。最初に触れたときとは大違いだ。変わったのは男鹿だけなのだろうと私は思う。だって───いつだって私は、ほんとうは。あのピリピリするような感触のなか、もっと深くふかくつながり合うことばかり、特に夜の闇のなかでは頭のなかが沸き立つくらいに───こうなることを望んでいた。──ほんとうは、もっと前から。好きだと感じたときから、男鹿のことを意識して、好きと認めたときからくちづけを望んでいた。くちづけが叶ってしまえば、一縷も纏わぬ姿で抱きあうさまを望んでいた。──男鹿もきっとそうなのだろうと思う反面、私のように生々しく考えてなどいないのかもしれないと思えば、すこしだけ怖かった。今となってはそれはどちらでも構わないことだけれど。だって、男鹿も私を欲しているのが分かるから。それが至高。
 今の私の格好ときたら、あまりにあられもない。服は着ていないけれど下着の上下は着けたまま。けれどそれは中途半端に脱がされていて、めくり上げられた下着たちに無意味さしか感じない。脱がせるのも面倒、とばかりに男鹿もきっと脳内烈火になっているのもそう、プラスもちろん下だって、いつだってそうだから見なくとも分かる。男鹿のそこ。思い浮かべながら私はちらとそちらへと目をやる。押し上げるみたいにパッツンと張った股間は、私が思うに女のそこよりも分かりやすくてイヤらしい。
 男女の体の差は驚くほど大きいのに、私はそれほどまで感じてこなかったのはきっと弟のせいだろうと思う。あと、私の面倒をずぅっと見てくれていたのがおじいちゃんだったから、というのもあるかもしれない。気づいた頃にはおじいちゃんにお風呂入れてもらったり、着替えさせてもらったりしていた過去があって。私がしなければならなかったことは光太のオシメを取り替えることだったりしたせいだろう。それはほぼ間違いない。そんなこともあって、私はおちんちんというものに、そこまで抵抗も恥じらいもなかった。というのはおかしいかもしれないけれど、それはあまりに身近にあるものだったから。弟がいて、それの面倒を見ていたりすれば分かるんじゃないかと思う。特に、我が家みたいに年が離れていればいるほど、弟という感覚と自分の子どもみたいな感覚の、へんに中途半端というか、母ではないけど姉と割り切るには近すぎる関係というか。たぶん普通のきょうだい関係しかないと、逆に「なるほど!」とは思えないかもしれないけれど。でも私は弟の面倒をずぅっと見てきたし、おしめも替えたし、お風呂にも一緒に入っている。お風呂はまだ今でも。だから男の子というものは普通に生活のなかにあるもので、異性というものとはまた違う感覚でいる。生活の一部だったりする。私の体には付いてないおちんちんというものが。もちろん性的な意味でもなんでもない。弟のおしっこが出るところ。むしろ、自分の体のほうがへんなんじゃないか、と思うくらいには当たり前になっている。ぶらんとしたアレがない体は、いつだって弱いものとして扱われた。それは武術を学ぶものとしてはある意味では屈辱で、私はいつだって負けん気を出すようになっていた。もちろんそれは男鹿と会ってからだって、変わりなく。
 けれど、どうにもできない身体の変化というものがある。それは成長と性徴に応じて、男女問わず現れてくる。それこそ私にとっては恨めしいほどで、男だの女だの、そんなものにこだわりたくないという気持ちがより私を凝固なほどに頑なにしていった。男なんかに負けない。その気持ちは誰よりも大きく、そのせいできっと寧々を筆頭としたレッドテイルのみんなのカリスマと呼ばれる所以になったのだろう、と今なら分かる。男鹿に会ってから、私はそこで捨てたはずの女性性というものを取り戻すことになる。
 男鹿は私のトコから顔を逸らしてすこしだけ体をズラす。男鹿はまだ服を着たままだから、ここでようやく脱ぐ。引き締まった体があらわになると、これからの気持ちよさとかこれから起こる、まあ、ああいうこととかエッチなことになってはしまうのだけど、期待感で胸がいっぱいになってしまう。それを隠すだけでいっぱいいっぱい。物欲しそうな顔をしてるなんて嫌だから、私はどうしたらいいか分からないような困ったようなふりをいつだってする。これってたぶん理性と本能の狭間。そんな勝手なことを勝手に思っている。男鹿にはもちろん内緒。そんなことを男鹿は見ていないのかもしれない。服を脱いで、いつも上から順番に彼は服を脱ぐ。上を脱いでからはベルトを外し、トランクスもまとめて脱いでしまう男鹿の脱ぎ方は性急で可愛らしい。きっとぎゅうぎゅうとおちんちんが押されているのがツラいのだとは思うのだけれど、私には分からない辛さだから。
 ツンと上を向いた男鹿のちんちんを初めて見たときは、それはビックリした。なぜなら私がいくら弟のを見てるからって、大きくなっている状態のソレは見たことがなかったから。大人のカタチ、というべきなのかわからないけど、子どものソレじゃないものだって見たことがない。初めて見た、同年代の男の大きくなったおちんちん。しかも、これからエッチなことをしようとがんばっているわけなのだし。大きくて、硬くて、張っていて、赤っぽいのも驚いたのは事実。さすがに最初は怖い感じもした。少なくとも私が知ってるソレじゃない。もっと攻撃的に見えた。私に対して攻撃するわけじゃないと分かっていても、ソレはある意味では攻撃と一緒だから、私は身構えないわけもなかった。……と、いいたいところだけれど、怖くても、攻撃しそうであっても、私はソレを初めて見たとき、思ってしまった。男鹿の、だからそう思ったのだろう、とは思うけれども。加えて、私ももちろん普通の状態なんかじゃなかった。その理由なんて、いわなくったってわかるでしょ? そういうことをしていた最中なわけなのだから。頭だっていつもに比べれば驚くほど狂ってる、にきっと近い状態。吐く息も熱っぽくて頭だってヤられている。だからこんなことを思ったんだろうと思う。
(あ、なんだろこれ…。可愛い)
 時折ピクリと動く、そそり立った男鹿のは、触ると熱くて男鹿の昂奮を表していた。今だってそう。可愛いと思うのはいつだってそうだ。男鹿のおちんちんは上を向いていて赤く立っており、時に透明でねばついた樹液みたいなえっちな液を垂らす。その時にピクンッと動くさまには色気すら感じて、私はその液を啜ってしまいたい衝動に駆られるほど。けれど私は、そんなことを思っているだなんて知られないように、たまに身を捩ることだってある。嫌じゃないけど、嫌なふりをする。そういうのは女の打算だなんていわれるのかもしれないけど、欲しがる、がっつく、そんなことはやっぱり私にはできそうにない。よっぽどオカシくでもなっていないと。だから私は今でも自分から触りにいくことができない。その行為が浅ましくて恥ずかしいことのように思えてならないから。ほんとうはそうしたくてたまらないのに、それができずにいる。今日も男鹿が近寄ってくれて、手で握るように促すか、口に含むよう顔に近づけて、次になすべきことを示すのは、いつだって男鹿の役目。今日は赤黒い欲望に手を添わせた。その感触が懐かしくて愛おしくて、私はすぐにゆっくりと手を動かす。間を置かずに男鹿は私を抱き寄せるみたいにギュッとするから、すぐに私の手の動きはほとんど止まったみたいになる。こんなふうにピタッと体をくっつけられながらちんちんをいじくれるほど私はスレてない、と思う。もっとこのふれあいを楽しんでいたい。そう思うからエッチなことというのは実はちょっぴり邪魔。こういうゆるいふれあいがきっと一番に欲しいもの。この辺は男女差というものがあるのかもしれないな、とは感じるところ。それを口にすることもないままに私は抱き寄せられた格好のまま、下に男鹿を見ていた。これは初めてのこと。手にはぎゅうとはしていないけれど男鹿のアレがある。
「こっち向けよ………」
 掠れた低い声で男鹿は、いつだって余裕ぶっているくせになんの余裕もない。けれども男鹿は強引だ。私はひっくり返されるみたいに男鹿の上に跨らされていて、体をぐるりと回転させられて。あ、と思う。見覚えのある男鹿の立ったおちんちんは、私の覚えているそれのまんまで、私は恐怖なんて覚えないで済む。彼は彼のまんまだ、と思えるのはきっと、あられもないそんなところを見せ合っているからなのだろう。私はそれを改めて手にして彼の様子を伺う。その様子を見て男鹿はいう。
「なめっこ」
 は? と答えにならない答えを返す前に、男鹿は下のほうから私の股間に顔を埋めていた。逃れようと思えばもちろん逃れられるのかもしれないけど。私は男鹿の顔を蹴ってまで逃げるつもりなんてない。こんな格好で、アソコの舐めあいっこをするなんていうことは思いつきもしなかったし、夢想したことだってない。ポカンとしているうちに男鹿の舌先が私の弱いところの周りを焦らすみたいに弱くナゾっていく。それだけでピリピリした気持ちよさにヒザと腰が震える。男鹿は私の弱いところを知り尽くしている。あ、あ、あ、と隠したいような、恥ずかしくていつもよりも甘ったるいような声が出てしまう。男鹿が慣らしたのだろうこの体は、ときに私の思い通りにならないほどに気持ちよくて、くにゃくにゃになってしまう。けれど、今日の男鹿の舌の動きは周りをくるくると舐め回して、核心に触れようとしない意地悪で焦らすような動きだった。それもそれで私は焦ったくてしかたがない。私の意志と反面に踊り出そうとする自分の腰の動きを懸命に止めようと理性を働かせる。だって、ここで腰をくねくねさせるだなんて、ただの好きモノでしかないだろうって思うから。それをなんとかするには、男鹿が望んだなめっこをするしかないのだと理解して、私は彼のおちんちんに手を伸ばしていつもみたいに舌を這わせる。これってもしかしたら、ちょーえっちくない? と彼のをぺろぺろしながら思って頭に熱が上ってきて、その途中だと思われるときに今まで感じたことのない感触に私は体全体を震わせた。
「……んあっ! そこ、っ…違、っ」
 なぜなら、彼は舌先で私のアソコじゃないところをぺろりとしたからだ。ねえ、そこはえっちするとこじゃないよ? というような、ええと…、つまりはそこ。お尻の穴。もちろん舐めるところでもない場所だから、私はたまらずいったのだ。けれど、男鹿の舌の動きは止まる気配を見せなくて。そんなキタナイところを私だってなめて欲しくなんてないのに、舐められるとその感触はたぶん私の脊髄を通じてびりびりと脳みそとアソコにも伝わっているのだろうと思うほどに。
 そう! ハッキリキッパリといってしまえば「気持ちいい」のだ。お尻で感じられるだなんて考えてもみないことだった。だって、…ねぇ? もちろん誰だってわかるとこだと思うけれど、お尻はえっちなことをする場所じゃなくて、いらないものを出すところだって認識だろうと思うから。私はそんなことをパパッと思ってしまって、顔から火が出るんじゃないかと思うほどに恥ずかしくてはずかしくて、しかたがない。気持ちいいと思ってることも悟られたくないものだから、声も押し殺した。そんな私の下から、男鹿は笑みを殺したような震え声でいう。
「ココ、なめられんの好きか」
 疑問符ですらない。それが恥ずかしくてたまらない。男鹿の確信が恥ずかしいのに、それすら気持ちよさになっているみたいで、また男鹿の舌先がふれちゃいけないところをゆるゆるとナゾる。そこは舐めるところじゃないというのに、男鹿にふれられるとどこだって全身の力が抜けてふにゃふにゃになってしまう。こんなところダメだと思ってももうムダ。ふにゃふにゃになんてならないと意識をつなぎとめるのは彼へのお返しというか、奉仕というか。男鹿のいうとおりに舐めあいっこに応じることだけ。私は彼のを舌先で、やがて口を大きく開けて、負けじと刺激しあうのだけれど、いつだって私が先にぐずぐずになって突っ伏してしまう。
 けれど今回はいつもと事情が違っていた。舐めあいっこしているので男鹿の頭が私の下にある。突っ伏してしまうと男鹿を踏んで押して潰す感じになってしまう。私のシーツに擦れるヒザは情けないほどに笑っている。ガクガクと揺れている。男鹿なら眼前なのだしもっとよく分かるのだろう。それでも彼は舌先をチロチロと動かして、私の体を高みに押しやっていく。
「おが、おねが…っ、だめ。…そこ」
 嫌だというはずなのに私の声はねだっているみたいに甘えを含んでいて、自分の声だのに私は恥ずかしい。力を振り絞って私は体を横にずらしてその場でくたりと横になる。ヒザを立てているのも、上体をなんとか起こしているのも、もう限界だった。そのときに自分の太ももの内側が粘液で濡れて粘ついていることが分かる。いつもと違うことをされていつもより興奮していたのだろう。男鹿の舌先がいつものとおりソコにふれるとさっきまでとはまた違った、素直な気持ち良さに私はのまれていく。水の音が、気持ちよさが、私の鼓膜と精神と神経を急激に昂らせていく。男鹿の舌と指が、私のナカで艶めかしく蠢く。水の音が私をすぐに追い詰めていく。もう舐めあいっこでもなんでもなかった。私は気付けばいつだって男鹿に組み敷かれて、なすすべもなく、なし崩し的に男鹿を受け容れている。もちろん、私だってそれを望んでいる。今の私からは男鹿の表情は見えない。けれどそれを裏付けるみたいにピンと立ち上がって震えるちんちんが見える。顔の表情よりもこっちのほうがきっと素直だ。直接的な刺激が欲しいと震えて泣いている。こういうところが可愛らしくてたまらない。いつもより男鹿もやっぱり興奮しているのだと分かる。



つづきを読む 2016/06/08 19:19:38