ほんのり炎⇒熱。炎山視点




「じゃあな炎山!また明日!」

「ああ、寄り道するなよ熱斗」


「お前は俺の母さんかよ」と言いながら影が遠ざかっていく。
さて、と一息ついて自分も会社へ戻らねばと歩き出した。

ネットセイバーとしての今日の仕事は終わっても
IPC副社長としての仕事はまだまだ山積みなのだ。
世界のどこにこんな忙しい小学生(年齢的に)がいるだろうか、
自分以外そうそう見つかるものじゃないだろう。
最近少しだけ、熱斗達に出会ってから思うことがある。
熱斗みたいにほぼ毎日はよくないが朝寝坊して学校に駆け込むことも
給食で残ったプリンをジャンケンで取り合うことも
放課後に適当な場所で駄弁ってネットバトルすることも
自分にはない出来事だと思うと少し羨ましいのだ。
その羨望の中にまたほんの少しだけよく分からない感情が混ざる。
甘いような苦いようなこそばゆい気持ち。
迎えの車を待つ間、ブルースにその事をこぼす。

『炎山様なら分かると思いますよ』

「ブルースは分かってるのか」

『……………当事者以外が言葉に出すなら簡単…かもしれないですね』



めずらしく、バイザーの奥にある彼の目が笑っている気がした。


またあした

2014/01/07

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