[優]



"今ひまなの?"
"うちに来て"



'えー'



"すぐね"
"ドア開けとくから"
"鍵閉めてね"




しまった…

昨日クラスメイトにもらった誕生日プレゼントを開けたからインスタに載せたくて、ストーリー更新しちゃったから暇なのバレた。

よく暇と決めつけられて呼び出され、会って何するわけでもないけど一緒にダラダラする。

いつもだるいみたいな態度を取っちゃうけど、本当はそうじゃなくて。

でも正直に言うのも恥ずかしくて今日も気持ちを隠したまま向かいの家のインターホンを一応鳴らしてドアを開ける。

本当に開いてるし…

物騒だなぁ。

おじゃましますと呟きながら靴を脱ぎリビングへ向かうとソファに寝転びながら本を読む産まれた頃からの幼馴染の飛鳥。

ソファの下に座り携帯でゲームを始めると上から声が。





『遅い。』



「すぐ来たじゃん。」



『30分も経ってる。』



「30分しか経ってない。」



『うざい。』



「別にどっか行ったりするわけじゃないしいいじゃん。」



『行きたいとこあるんだもん。』



「どこ?」



『海。』



「1人で行けばいいじゃん。」



『遠い。』



「じゃあ、やめとけば?」




するとバシッと本で頭を叩かれる。




「いたっ!わかったわかった。早く準備して。車出してくる。」




飛鳥に甘すぎる。

自分でもわかってる。

でもついつい甘やかしてしまう。

好きだから…




「どこの海?」



『いつものとこ。』



「りょーかい。」




いつも車内でもあんまり喋る方ではない。

むしろ無言の時間のほうが圧倒的に多いぐらいだ。

でも別に苦じゃないし、気を使わなくていいし心地いい。

最近よく聴いてる音楽をかけて私が口ずさむ。
これがいつも通り。

でも今日は少し違った。





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