[優]


朝起きるとちゃんと服を着て寝ている飛鳥。
ほんと恥ずかしがり屋だよなあ。
もう何回も見てるのに。
そんなところも全部好きなんだけど。
てか昨日少しやりすぎたかなあ。
起きたら怒られそう…
そんな事を思いながら飛鳥の頭を撫でる。


『…おはよ。』

「おはよ。」

『今何時?』

「9時ちょっと過ぎ。」

『うっわ…体痛い…』


ごめんねーと言いながらギュッと抱きつくと思いっきり押し返された。
それでも負けずにもう一度寄っていく。


「あーすかちゃんっ!」

『触るな!』

「えー。」

『さーわーるーなー!』


何度寄ってもグッと押し返されるから諦めて少し距離をとったまましばらく横になって携帯をいじっていると、今度は飛鳥から寄ってきてくれた。


「寂しいんじゃん。」

『違うし。』

「んもー。素直じゃないなあ。おいで?」


腕まくらをすると胸元でまた眠り始めた飛鳥につられて一緒に寝てしまって、目が覚めた頃には時計の針はもうすぐ12時をさそうとしていた。
あー、腕痺れてる…
寝ている飛鳥にキスをしようとした時、タイミング悪くパチっと目を覚ましてしまった。


「あ、おはようのちゅー。」

『ん。』


拒否されるかと思いきやすんなり受け入れてくれて、むしろ飛鳥からしてくれて不覚にもドキッとしてしまう。
ツンデレの使い方がうますぎるんだよなあ。


『ふふっ。』

「何笑ってんの。」

『ドキドキいってるー。』


そう言いながら私の心臓をトントンと人差し指でつついて可愛らしい笑顔を浮かべて笑っている。


「誰のせいだと思ってんの。」

『優ってさ、私のこと相当好きだよね。』

「うん。大好き。」

『変わってるよねー。』

「飛鳥も私の事、大好きだもんね?」

『でたよ、自意識過剰。』


ベッドから降りてカーテンを開けた飛鳥はおーと声を上げている。
気になって一緒に外を見るとかなり積もっていて、まだ雪がちらついていた。


『ホワイトクリスマスだ。』

「雪だるま作る?」

『やだよ。寒いじゃん。』

「ですよねー。」

『お腹空いた。なんか食べたい。』

「飛鳥ちゃん食べ…いった!」


後ろから抱きついて歩いてたから無防備だった腕をつねられてしまって痛い痛い。
大人しく冷蔵庫を覗くと食材が全然ない。
昨日全部使っちゃったんだった。
明日また来る途中に買い物してからこればいいやと思って…


「ピザって配達やってんのかな?」

『すぐそこだから買ってきてー』

「すぐそこではないよね?」

『スーパーよりは近いでしょ。』


あんま変わんないけどなと心の中で突っ込みながら、寒くないように厚着をして家を出た。
ありがたい事に雪はやんでくれていて、積もった雪も少し除雪してあって歩けないほどではなかったから、転ばないように慎重にピザ屋へと向かった。


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