[ねる]



今日はオリオン座流星群がピークを迎えるらしい。
運がいい事に天気は快晴。
きっとたくさん星が見えるはず。



「優ー」

『あ、ねるお疲れ様。今日はもう終わり?』

「うん!優は?」

『終わり!一緒に帰ろー』




今日は優がラジオのパートナーで出てくれてめちゃくちゃ楽しかった。
まぁ一緒にいれるっていうだけで幸せなんだけどね。
ラジオの収録が終わった頃には12時を回っていた。


『さむっ!もう冬だねえ。』

「ねぇねぇ。今日の夜流星群ピークなんだって。」

『へー。なんの?』

「オリオン座流星群。」

『あー、あれか!』



唯一わかる星座だわって星を指差して無邪気に笑ってる。
笑うと目が細くなってえくぼがでてくる大好きな優しい笑顔。
この笑顔を誰にも取られたくない。
誰にも見せてほしくない。
ワガママっていうのはわかってる。
だけど… ずっと隣で独り占めしたい。


『…らしいよ? ってねる聞いてる?』

「え?あ!ごめん何?」

『明日ねるも休みになったらしいよ。どうした?考え事?なんかあった?聞こうか?』

「ううん、大丈夫だよ。大したことじゃないから。」

『そう?ならいいけど。言いたくなったらいつでも聞くから。』



そう言いながら頭をよしよしされて。
マネージャーさんが回してくれた車に先乗り込んで行く優。
いつも優は余計な詮索をしてこない。
これは誰にでもそうで本人が言うまで待ってくれる。
言えない時は何かを察するようにずっとそばにいてくれる。
こんな事されて好きにならないわけない。
アピールしてるのは私だけじゃない。
他のメンバーも結構してる。
でも本人は全くなんとも思ってなさそう。
結構アピールしてるつもりなんだけどなあ。


「優は自然界の中で1番何が好き?」

『自然界?』

「そう。海とか山とか。」

『あー、なるほどね。星空かな。』

「えっ!同じ!最近までは海だったんだけど、最近プラネタリウム付けてるのね。あれのおかげで星空になった。」

『まじ?影響されやすいなー。でも星空っていいよね。』

「その割には今日流星群って知らなかったじゃん。」

『その日なんとなく見上げる星空がいいんだよ。場所によって見えかたとか全然違う。長崎とかめっちゃ綺麗に見えそうだね。』

「星の数が東京と全然違うよ。」

『今度連れてってよ星空がよく見える場所に。』

「いいけど案内料かかるよ?」

『えー!まあこんな可愛い子と見れるならいくらでも払うよ。』


不意にこっちを向いてこんな事言うから何にも言い返せなくて…
優はん?って顔してるけどこっちは早くなった心臓を抑えるのに必死なんだから。
寮まで送ってもらい、いつもならそれぞれ部屋に帰るんだけど今日は流星群という特別な日。


「ねぇ優。明日休みになったからちょっと付き合って欲しいところあるんだけどいい?」

『こんな時間に?いいよ。どこ行くの?』

「一緒に流星群見たい。」

『東京じゃ無理じゃない?』

「うん。だからどっか連れてって。」

『は?』

「免許あるじゃん。車も。」

『車… なんで知ってんの?』


明日の休みの日に行きたいところがあるからって車を借りていたのを愛佳から聞いていた。
せっかく行きたいところがあるところを悪いけどあるもんは使わないとね。


『わかった。もう寒いから、あったかい格好して15分後に下ね。』

「やったー!わかった!」


パパッと適当に準備をする。
カーディガンしか着てなかったから、あったかそうなアウターを着て下に行くと車に乗った優が待ってた。



Cntinue...


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