*3

「ん、ぁ‥っ」
静雄の胡坐の上でズボンを脱いだ臨也が喘ぐ。
まだ下半身には触れず、カットソーの上から乳首を甘噛みしていた。
「シ、ズちゃ…ちょ…直接…」
布越しのもどかしさに臨也が折れた。

「ほら、服咥えてろ」
静雄がシャツの裾を持ち上げると、臨也は大人しく咥えた。
コリコリと舌で弄り、少し強めに吸い上げると自分から胸を押し付けてきた。片方も摘まんで引っ張ると臨也の背がしなり、手を自らの股間に伸びる。
下着の中は既に濡れていて、臨也の小さなぺニスはパンパンに勃起している。皮に埋もれた先端を弄れば、強い快感に涙が零れた。
「あ、勝手に触りやがって」
気付いた静雄が臨也の手を遮る。
「や…もぅつらい」
「すぐイッちまうだろ」
「じゃ…う、しろ、して…」
呟いた臨也の体を床に倒した。
「ひゃぁ!な、なに!?」
静雄が臨也の足を抱え、腰を引き上げた。いわゆるまんぐり返しの状態になった臨也は恥ずかしさに足をバタつかせる。
「うしろ弄ってほしいんだろ?暴れんなよ」
静雄が生クリームのボウルに指を漬けた。
「ねぇ…まさか」
「あ?捨てんのもったいねー」
「ひっ!」
臨也がアナルに触れる冷たい指に身震いする。くにくにと周囲を揉むようにして、僅かに開いた口へ指を引っ掛ける。何度か繰り返して柔らかくなった穴へ指を挿れた。
少しずつ奥へ進み、生クリームをなじませるように内壁を擦る。すぐに溶けるおかげで滑りが良い。
「ふ‥っ、ぅ」
臨也の腕を口元にあてて必死に声を耐える姿に静雄は加虐心を煽られる。大分慣れてぬぷぬぷと指を食むアナルを人差し指と中指で拡げ、そこへボウルの端をあてた。
「え…?」
指とは違う感触に、臨也が顔を見せた。
「溢すなよ?」
静雄の意図に気付いた時にはボウルが傾けられ、生クリームがトロトロとアナルへ流れ込んだ。
「ひ…ぁ…」
体温より低い為、胎内に入る感覚が嫌というほど分かる。冷たさと精液以外のものが入る不安に足が震えた。
「やぁ…ぅ‥あぁ」
ボウルの半分ほどを流し込んだところでこぷっと溢れる。
「零すなって」
「ぁ‥む、り。きもちわる…」
静雄が蓋をするように親指を挿れた。隙間から滲むように垂れる生クリームは精液を連想させ、静雄は生唾を飲む。
「ひぁ、っ」
親指を付け根まで挿入してグリグリと弄る。
ぐちゃぐちゃと卑猥な音がキッチンに響き、臨也は羞恥にきつく目を瞑った。
「ダメだ…我慢出来ねぇ。挿れんぞ」
先端をアナルに擦り付ければ生クリームと先走りでグチュリと厭らしい音がした。臨也が息を吐いたタイミングをみて、親指を抜いて腰を進める。
「ふ…ぁああああ!」
滑りがよく、一息で最奥まで挿さった。質量オーバーの生クリームが隙間から溢れる。
「っ…はぁ…ん」
軽く揺すると臨也の足が静雄の腰に巻き付き、静雄はそれを合図に動き始めた。
「ひ…ぁ…んっ‥あ、あ」
抜ける感覚に肌がざわつき、静雄の腕に爪をたてる。奥に戻せば背がしなって白い喉が露になった。
「あぁ……んっ…ぁ、ふ、ぅ」
喉元に静雄が吸い付く。何度も口付け、吸われ、白い肌に印が残った。
「シズちゃ…あし、たも、仕事あ…っ」
静雄は最後まで言わせないよう唇を重ねた。
「んぅ、っく…」
唾液も呼吸も食い尽くすようなキス。はしたないキスすら臨也の股間へダイレクトに響く。
「っ…テメェ、キスでも感じんのな」
締め付けられた静雄が息をつめた。
「ぁ、キス、きもちい‥すき」
ねだるように臨也が静雄の唇を舐める。
「んなこと今まで聞いたこともねーっつーの」
不貞腐れた静雄が奥を抉る。
「あぅ!いっ‥たこ、と、ないも…ん」
激しい律動に静雄の腕を掴む手に力が入る。
「爪たてんな」
血は出ないが赤い筋の入った腕に顔をしかめた。
「ふ、ぁ…むり…」
離すまいと力の限り捕まる臨也の背中に腕を差し込んで抱き起した。
「ああぁぁぁっ!」
静雄の上に座る形で自重に奥まで沈む。
静雄は浅い呼吸をする臨也を抱きしめて背中を撫で落ち着かせる。
臨也の細い身体が自分の腕の中にあるのを嬉しく思いつつ、言いようのない不安に駆られ肩口に顔を埋めた。
「離さねぇかんな」
静雄の弱々しい声色に臨也が首をかしげた。
「あ、あたりま‥えでしょ…は、なしたら、こ、ろ、すよ?」
物騒な事を切れ切れに言う顔は穏やかな笑みが浮かぶ。その顔に満足した静雄が返事代わりに下から激しく揺さぶった。
「あ!あぁ‥ロマン、ない…な、ぁ」
「いらねぇだろ、俺らに」
「あは、ん!ぅ…あ、イきそ‥」
自ら腰をグリグリと擦り付けてねだる。
「今度こそ、零すなよ?」
言うや否や臨也の腰を掴み、激しく最奥を突く。
「んあっ!ふ…あ、あぁぁ!!!」
腸壁が痙攣して静雄の腹を臨也が汚すと、臨也の胎内が熱い精液に満たされた。
「は、ぁ‥シズ、ちゃん」
力が抜けて凭れ掛かった臨也の身体を静雄は離さないように再度強く抱きしめた。
静雄がゆっくりペニスを引き抜くと、赤くぽってりとしたアナルから中身が溢れてフローリングに白濁の水溜りができる。
その光景に静雄の口に唾液が溜まった。
「これは…怒るな」
そう言いつつ、どうせならと再びペニスを挿入した。




「床でヤるとか、マジ最低。しかも何入れちゃってんの!?」
静雄の腕の中で湯に浸かる臨也がボヤく。
「悪かったよ。つーかテメェも乗り気だったじゃねーか」
風呂で生クリームと精液を掻き出されて洗われる間も、臨也の敏感になった身体は快感を拾った。おかげで反抗する気力もなく大人しく静雄に抱かれているが、気は収まらない。
「逢うの久々だったし…したくない訳じゃないもん」
臨也が静雄の腕に絡みつくように身を屈めた。
その背中には赤い擦り傷。静雄はそこを指でなぞる。
「擦れてる」
「っ!あとで薬塗ってよね」
「あぁ」
短く答えて傷に口付ける。

臨也は秋の夜が長いことを身をもって知ることになった。




友人のK様に。いつもありがとうございます。




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