お隣事情 2

「やっぱり二人は付き合ってる系??」
高いテンションを更に高めて聞いてくる。
何かウザいぞ。

「いや。付き合ってはいないよ」
取りあえず答える。
「エー。でも真知きゅんも教会(ココ)に住んでんでしょ?」
「きゅ…?え…えぇ」
「ズバリ。襲われる予定は?」

圧され気味だ。
と言うか襲われる?
「神父サマはオレは殺らないと思いますが…」
ねぇ?と神父サマにふる。
「勿論。今のところ予定は有りませんねぇ」
笑顔のまま神父サマも答える。

何か鼻息荒くないですか鳴衣さん。

「"オレは"!?と言うことは他はヤりまくりと言うことですかっ!神に仕える神父の身でありながらけしからん もっとヤれ」
何か言語すらおかしくなって来ている。
と言うかこれ以上殺っちゃ駄目でしょ。
充分だよ。


何コイツ。な目線を送っていると救いの手が伸びてきた。
「鳴衣。そろそろ止めろ。神町が若干引いてる」

鳴衣を引き剥がしてもらったのでお礼を言う。
ついでに違和感があるので名前呼びに訂正させてもらった。

取敢えず互いに名前呼び決定。
ただでさえ同い年位だろうから問題は無いだろう。

「ぶぅ…付き合っちゃえよ二人とも。そして萌えを…」
ブツブツ呟く鳴衣は馨流に確保されている。
「すまないな。コイツは腐男子と呼ばれる人種でな」
「フダンシ?」

よく判らないが鳴衣はチャラ男ではなくフダンシと言う人種らしい。

「因みに真知きゅん達から萌えを得るために特別許可をいただいた次第でありますっ!」
ビシッと敬礼する鳴衣。
「俺の叔父が理事長なんだ」

だから信者ではないが特別許可をもらったらしい。


「それとー…馨流ちゃんは俺っちの彼氏だったりしまっす☆」
「へぇー」
「反応薄っ!」
驚かせようとしたのか 驚かれた。
「偏見とか無いのー?」
「どこら辺か変なのか?」
「マチクン。多分二人が付き合ってる辺りが驚き処ですよ」
「何故に?」
「ほら。女子学生がカレカノとか言って話していたじゃないですか。男女がセオリーなんですよ。
男同士だとカレカレになって辛そうじゃないですか」
「あぁ。成程」
やっと神父サマの説明で納得すると 今度は逆に二人が変な顔をしていた。
「うんまぁ偏見無いのは良いことだけどさ…」
「…」





それからは学生の生活を色々と聞いた。
オレ達の日常もお楽しみとかは省いて話す。
神父サマも暇らしく話に混じっていた。

正直神父サマは学校にも言っていたし 教会に来る女子高生と話しているせいもあるのかオレより打ち解けていたと思う。
ただ現役高校生と非学生はギャップがあるのか話が噛み合わないのか二人 主に馨流が時折変な顔をしていた。


「そろそろ夕飯作るけど食べてく?」
オレが聞くと「マチクンの料理は美味しいですよ」と神父サマがハードルを上げた。

勘弁してください。

話によれば二人は食堂で食べてるらしいが 一流レストランばりの設備らしいじゃないか。
オレはレストラン処かファミレスも行ったこと無いけど。

「食べてくー!」
「頼む」

「…期待はしないで下さいね」

そう言って二人分椅子を用意し台所へ向かう。


取敢えずオレの人肉が紛れるようにメニューは統一するか。

そんな事を考えながらエプロンを着けると

「フリル付きエプロン萌えーーっ!」
と言う奇声とゴンッという鈍い音が聞こえた。


end

[ 27/40 ]

[*prev] [next#]
戻る


top


×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -