彼なりの優しさ

「穏やかな日ですね」
「そうですね」
「マチクン。
死ぬなら先に死んで下さいね」
「…………は?」
「安心して下さい。これからずっと先の話です」
「はぁ。そうですか」
「年齢的にも寿命で死ぬなら私が先です」
「まぁ確かに」
「だから不慮の事故とかで先に死んで下さい」
「…何でそうなるんですか」
「だって 私が死んだらマチクンの食料調達出来ないじゃないですか」
「あぁ。人肉の事ですね」
「飢えは苦しいです」
「それは…確かにキツいですね。食べるの日常化してますし 今時この日本で死因が餓死とか…」
「マチクンでは血を貰うので精一杯でしょう?」
「…っ残念ながら否定出来ませんね。と言うか 寿命いっぱいまでこのままのつもりですか」
「今のところ変更の予定は有りません。生涯現役です」
「そりゃあ オレからしたら心強いですね。でも残った神父サマはどうするんですか?」
「う〜ん…。取敢えず気紛れなただの殺人鬼に戻りましょうか。マチクンがいないなら神父サマやってる意味も無いですし」
「近所迷惑な理由ですね」
「マチクンいないとつまんないので数割増で殺っちゃうかも知れません」
「ゴーストタウンにする気ですか」
「何なら化けて出てくれません?」
「無茶言わないで下さい。霊感無いくせに」
「うっ。イタイところを突いてきましたね…。でもマチクンいないと私は退屈過ぎて狂ってしまいそうです」
「安心して下さい。もう狂ってますから」
「それもそうですね」
「ま。もしその時が来たら…」
「来たら?」
「そん時考えましょ。
オレは神父サマに先に死なれたらどうやって後追うかでも喰ベながら考えます」
「私のサイズなら何日間か保ちますね」
「えぇ。考える時間は結構出来ます。骨まで残しませんから」
「じゃあ私も遊びながら考…「日本消滅させる気ですか?」じゃあ一掃した地球をマチクンに手向けますよ」
「規模がデカ過ぎますよ」
「ではやっぱり
願わくば二人同じ時に眠りたいですね」
「そうですね。そうありたいです」


end

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