シンデレラすとーりぃ
2

「………(凝視)」
「王女王女、目線が定まり過ぎですよ」
「王女の目力であの男に穴空きますよ」
「………」
「聞いちゃいないよこの莫迦」
「聞けよ変態」
「聞けよ男女」
「ん?誰かな僕の事を莫迦だ男装の麗人だ言う奴は」
「すみません。私が口を滑らせました」
「つか、男装の麗人は誰も言って無いですよね!?寧ろ悪口でも無いし」
「王女、責めるなら変態と言った方です」
「変態を変態と言ったまでです」
「らしいよ?」
「変態は良いのかよ!?」
「口調口調。この御方はそれでも王女だ」
「それでもって…」

「処で変態談義にかまけて聞きそびれましたがあの方、王女の事を男だと間違えたままですよね?」
「惚れたんでしょ。良いんですか?このままだと恋愛には発展しませんよ」
「大丈夫。ちゃんと決闘してからバラすから。女だと教えたら戦う時に手加減するだろう?」
「脳筋は愛をも越えますか」
「決闘莫迦のクセに、何故ドジっ子泣き虫属性なんですか」
「王女らしさはこの際諦めますから、伴侶は捕まえて下さい」
「舞踏会にまで王子の格好で来たのは驚きましたよ、お嬢様方のハートばかり射止めやがりまして…」
「女の子は可愛いじゃないか………男は弱いから興味ない。否、無かった」
「あの方は初めての好感触!出会いは安易ですけど、」
「黙れ!この王女にはあのくらいが分かり易いんだ!」
「初めて殿方から心配された。僕の伴侶は彼奴で決まりだ」
「マジですか。王女が手合わせも無く認める男性が、まだこの国に居たなんて…!」
「いつも決闘を申し込んでは負かして来たからな。無敗だ」
「因みに良いんですか?彼、失礼ながら強くは無いかと」
「この莫迦!横槍入れるな!」
「僕が護る。」
「……勇ましくて何よりです」

「て言うかガラスの靴の持ち主はどうするのですか?」
「どうせ外に出る口実でしょうに」
「…ガラスの靴?」
「忘れたのですか王女!?貴女が早急転んで割ったやつです!」
「ああ、あの決闘に向かない靴か」
「…どうせ外出許可を貰う為の適当な理由ですよね。王様に惚れた相手を見つけ出すっ!なんて言ったのは。でなければ判断基準が足のサイズとか無いですよ」
「一時的戯れで女性連れて帰るより庶民でも伴侶候補の方が良いですよね」
「何か本気っぽいし」
「ぶっちゃけ私達は王女が落ち着けば何でも良いんで」
「君達…」
「感動したか。肯定派な従者に嬉し泣いとけ泣き虫」
「嬉し泣きは後にとっとけ」
「惚れられたアイツ乙。」

「じゃあ僕は彼と食べるから君達は、」
「ここで食べますよ」
「毒味ですよ」
「決闘の申し込み防止ですよ」
「野次馬ですよ」
「全く欲に忠実だね。嬉しいよ」

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