とある生徒会の勤労感謝

長「会長だ」
副「副会長です」
計「会計だよぉ」
書「…書、記」
双「庶務でーす」(双子区別無)
双「今日は何の日?」
 「何の日?はいっ、会計!」
計「ぅえ!?俺?えーと、」
双「「はいっ、時間切れー」」
計「早いっ!」
副「バ会計。本日は11月の23日。つまり勤労感謝の日ですよ」
計「へー」
長「こいつ、ピンと来てねぇな」
書「貴重な、祝日…」
計「えー」
長「今度は不満そうだな」
計「だってさぁ。じゃあなんで俺等はこーしてあくせく手を動かせんのさぁ」
長「…」
副「…」
書「…」
双「生徒会にお休みはないのよ!」
 「ほらほらバリバリ手を動かしなさい!」
 「「的なー?」」
副「まぁ、期限間近の書類を渡し忘れたあの阿呆な教員は後でシメるとして。」
長「あいつ、一足遅れのハロウィン!とか言ってたぞ」
書「イタ…ズラ…」
計「じゃぁ俺もあの辛党オヤジに苦手な激甘お菓子を大量プレゼントするよぉ」
長「それは止めないからまずは手を止めるな」
計「はぁい…」

副「流石に会長のテンションも低いですね」
長「仕事は苦ではないが、休みが急遽返上されるのはな。流石に不愉快だ」
副「むしろあの方はよくこの量を見落とせましたね…」
双「つらいねー」
 「ねー」
書「庶務、楽しそ…」
双「僕らは負担少なかったからねー」
 「書記会計は手伝えるけど二人のは無理だしー」
 「「会長副会長乙ー」」
長「くっ…」
双「そんなみんなの勤労に!」
 「感謝する日!」
 「「それが今日!」」
長「は?」
双「本当はお休み中の部屋に押し掛けて渡すつもりだったんだけどねー」
 「しょうがないから感謝プレゼントをここに持ってきましたー」
副「はぁ。」
計「君らって変なところ律儀だよねー」
書「…あのリュック…」
双「そう!」
 「皆への日頃の感謝が詰まっています!」
 「「まずは書記ー」」
書「?」
双「プレゼントが一番おっきいんだけど…」
 「ガサガサ…有った!」
長「?」
双「はいこれ超快眠まくら!」
 「廃盤になっちゃったお気に入りまくら探してたでしょー?」
 「製造元に問い合わせて再現してもらいました!」
書「!…おぉ…!」副「結構ガチめのプレゼントを用意しましたね…」
長「な」
計「そーゆーのはクリスマスに取っておこうよぉ」
書「zZ」
双「気に入ってもらえたようで何より!」
副「あっ、こら書記!貴方の仕事はあとちょっとですから、頑張ってください!」
書「!…スゴい…ありがと」
双「「どーいたしましてー」」
 「続いては会計ー」
 「…は、お仕事手伝ってあげる券!」
副「なんですか?その肩叩き券みたいなネーミングは」
双「そう!」
 「まさにおんなじ!僕らが会計のお仕事をお手伝いしてあげる券だよ!」
計「それは助かるねぇ」
長「会計にはお似合いだが、書記から比べてだいぶハンドメイドな…」
双「僕らもはじめは会計にも物を買ってこようとしてたんだよー」
 「でも会計、欲しいものは直ぐに手に入れちゃうタチだしー」
 「書記みたいにずっと気に入って使い続けてる感じもないしー」
書「…確か、に」
双「なのでプライスレスなプレゼントにしました!」
 「そうなりました!」
長「…だが、お前らも残業常習者じゃないか?」
副「確かに。券を使うかもといって自分達の仕事を早く済ます殊勝さは彼等にはないと思いますね」
書「使え、ない?」
計「フッフッフー。君達はなんにも分かっていないねぇ。手伝ってもらうだけがこの券の真価ではないのだよ!」
長「な…に…?」
副「今もらったばかりでもう何かを感付いていると言うのですか!?」
計「そう…仕事を手伝ってもらうと言うことは、オレが仕事をしている間は彼等も仕事をしている。つまり!オレを差し置いて二人だけが遊ぶことができないのだぁ!」
双「まさかっ!」
 「もう気付いただって!」
 「「会計恐ろしい子!」」
長「…」
副「…」
書「いたずらっこ、いたずらっこを…知る」
計「えへへぇ。それほどでもぉ」
副「褒めてませんよ。でもまぁ、役職がら同じ残業でも庶務の方が早く切り上がりますものね」
長「二人が手を貸すことには違いないしな。仕事が早く終わるなら俺等にも利がある」
書「ん」
計「でも!今日はまだ使わないよぉ。今のところ皆残業だし」
長「安心しろ。急いで使わずとも直ぐに年末業務が来る」
書「多忙…」
副「それ以前に"まだ"ってことは今回の仕事を受け持ってもらう可能性も否めないんですね…どんだけ進んでないんですか…」
双「そんな心労の絶えない副会長にはこれどーぞ!」
副「?これは…」
双「缶紅茶!」
 「前に町に出て気に入ったって聞いたから、各種集めてみたよ!」
 「学園内に自販機ないからわざわざお取り寄せするって言うね!」
副「あ、温かい。有難うございます。これがもしや…」
双「「副会長へのプレゼント!」」
長「だいぶリーズナブルになったな」
副「まぁ、いいんですけど…」
双「そう思わせておいて!じゃん!」
 「「世界の珍しい茶葉セットー!」」
副「!?」
双「画面スクロールで下まで見てみて。
副会長が一度は試したいって言っていた何とかって茶葉もあるはずだよ」
 「僕らには馴染み無いから名前は忘れちゃったけど」
副「ほ、ほんとうだ…」
計「て言うか何でタブレット画面?そんな大きい荷物じゃないよねぇ?」 
長「確かに」
双「それがねー。発注に手間取っちゃって」
 「現物が手元に届くのが月末だろうってー」
 「でも画面参照だけじゃ味気無いから、おまけで現在販売中の缶紅茶も集めてみました!」
副「この茶葉なんか全然手に入らなくて…」
書「庶務…よく、見付けた、ね」
双「そりゃもー僕らのコネが輝いたからね!」
 「僕ら、貿易には強いからね!」
書「かっこ、よ」
双「そして最後にー…」
 「「会長!」」
長「お」
双「座りっぱで腰に来ると呟いていた会長にはー」
 「マッサージ優待券を進呈!」
計「あ、意外。ちゃんとお店のだぁ」
副「"僕たちが揉んであげる"とか言っていかがわしいことをする感じじゃないんですね」
双「それ考えたー」
 「むしろそれを予定していたー」
 「でもガチプレゼントで好感度をあげる方を選んだよー」
書「…エラい」
長「あの呟き聞こえてたのか…」
計「恥じらう会長も可愛いよぉ」
双「なんなら僕らの相手して腰ズッキンしたのを治しに行くのもありだよー」
 「それでもって、マッサージの担当さんにナニで腰痛めたのか気付かれてんじゃないかってドキドキする会長を妄想したいなー」
副「どんなプレイですかそれは。」
長「こほん、その展開はあり得ないがこれは有りがたく頂こう。お返しは別の形で、な」
双「それでこそ会長ー」
 「まぁ好きでやったことだから、お礼なんて要らないけどねー」
副「そうはいきません!これだけ心を尽くしてくれたからにはこちらからも感謝の意を示さないと!」
計「夢にまで見た紅茶を目の前に副会長のテンションがすこぶる上がってるねぇ」
書「会長、あげれない…けど、嬉しい、ほんと」
計「ま、そう言うことだね」
双「会長は自力で取りに行くからいーよー」
 「でもでも、なにが来るのか期待しちゃうねー」
 「ハードル上がっちゃうねー」
長「フン。楽しみに待っていろ」
双「「わーい!」」
 「とにかく皆」
 「これからも末長くよろしくねー」


end

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