とある生徒会の八周年

長「会長だ」
副「副会長です」
計「会計だよぉ」
書「…書、記」
双「庶務でーす」(双子区別無)
長「なんか久し振りな気がするな。こういうの」
書「ん」
長「あいつ等はどこまで買い出しに行ったんだろうな?」
書「いっぱい買うって、言ってた。大きいお店なら、隣町?みんな、はりきって、る…」
長「そうだな。実を言うと俺も少し浮かれているんだ。柄じゃ無いが、」
計「ちょっとぉーっ!」
双「書記ズルいー」
 「会長の照れ笑い独り占めズルいー」
書「…ふふん、」
長「お、帰ってきたか。案外早かったな」
計「まぁね!買い出し係って決まった瞬間、外注しておいたねぇ」
双「校門まで取りに行くだけー」
 「三人いれば全部持てるー」
計「じゃんけん負けて、俺がいっぱい運んだんだよぉ。会長癒してー」
長「あーはいはい。今日の仕事の延滞は大目に見てやる」
計「そーゆーのじゃないよぉ…。てか会長っ!」
長「ん?」
計「じゃんけんで決めた装飾班に文句は言わないけどぉ、書記だって立派な狼さんなんだからぁ!そんな無防備さらしてたら、パクンていかれちゃうよぉ!?」
双「自己防衛ー」
 「自己防衛ー」
長「いやまぁ、お前らより安全だろ。なぁ?」
書「……………………。…………ん」
長「…書記?」
双「書記素直ー」
 「いいこいいこー」
 「「会長の警戒心がイチ上がったー」


長「随分とジャンクフードばかりだな」
双「パーティっぽいー」
 「イメージイメージー」
計「学園やおうちでのパーティじゃ食べられないからねぇ。経費で落ちる今の内に買い溜めておかないとー」
長「経費を使うなボンボン」
書「ポッキー…」
計「お、見付けちゃったね!」
書「グラスに、入れてくる?」
計「イエース!後でゲームをするための大事なアイテムだから、ポッキンしないようにねぇ」
書「ん」
長「食い物で遊ぶな。」
双「チッチッチッ、会長わかってないなぁー」
 「てか知らなかったっけー」
 「「ポッキーにはポッキーゲームと言う自らの名を冠する、巷では常識のゲームが存在することを!」」
長「なっ、…そうなのか。いや確かに、知育菓子のような遊べるお菓子は実在するからな…」
計「会長も納得したからオッケーだねぇ!」
双「「やったー!」」
長「俺はやり方知らんぞ。アナログゲームではあるんだよな」
計「もち。必要なのはポッキーと己が唇のみ!」
長「そうか。…よし、ならば会計と庶務、取り敢えずやって見せろ。本番までにルールを覚える」
計「え」
双「僕らと会計でー?」
 「えー」
書「会長、オレ教える…から、いっしょ実践、しよ?」
双「「あーっ、書記ズルいー!」」
長「書記、悪いな。こいつらがこんだけやる気があるゲームの内容に、俺は正直警戒しているんだ。全年齢の壁を壊しかねないゲームの疑いがある以上、ルールを聞くまでは安心できないだろう」
計「もぅ!会長ったらぁ、どんな想像しちゃってんのさぁ。ねぇ?」
双「僕らの淡い下心は全年齢の範囲だよー」
 「ちょっとそろそろチューくらいしたいって程度の小さな下心だよー」
長「やっぱりそういう趣旨の遊びか。」
書「…ギクッ」
長「…お前らな。よく飽きないな」
副「まったく貴方たちは。油断も隙も有りませんね」
計「副会長まで戻ってきちゃったかぁ」
双「ライバル勢揃いー」
 「揃いー」
長「じゃんけんに負けて、一番面倒な書類整理を一人でこなすはめになっていた割りには早かったな」
副「これでも生徒会長の次席ですからね。…それに出し抜かれちゃたまりませんから」
長「おつかれさん」
副「その言葉だけで生き返ります」

長「それじゃあそろそろ始めるかね」
双「わーい!パーティパーティ!」
 「八周年のお祝い!」
計「オレ等もまだまだ現役だねぇ」
書「ん」
副「八回目、と呼べない辺りがまぁ何とも…」
計「去年と一昨年は丸っとスルーしていたからねぇ」
双「「忘れん坊ー」」
書「会長、寂しかっ、た」
長「べっ、別にっ。こいつらとは定期的に顔を合わせているからな、一緒に祝えなくて寂しいなんて事は全然全く無かったぞっ!」
計「うんうん」
長「お前の悟り顔は普通にムカつくな」
計「えぇ…会長ひどくない?傷付いた心を癒してぇ」
副「こら勝手に会長の隣を陣取るんじゃありません!」
計「いいじゃん、副会長はいつも会長の隣に立ってるしぃ」
副「それ、完全に仕事の時の立ち位置の話じゃないですか。それなら私より、常に背後を定位置にしている書記と変わったらどうですか」
双「背後霊ー」
 「ひゅーどろー」
計「書記はしょーがない」
副「何故皆書記にだけは甘いのでしょう…」
長「書記の好物ばかり乗ったトレーを見るに、お前も大概甘いけどな」
副「こっ、これはたまたま有った茶菓子で…っ」
書「…かんしゃ、」
計「副会長、副会長にツンデレ属性は求めてないよー」
副「私も望んでいません」
双「会長とキャラかぶりー」
 「かぶりはご退場ー」
副「だからなんで私には辛辣なんですか」

長「?…おい副」
副「なんですか?」
長「お前のそれ、コーヒーじゃないか?」
副「え、あっ、すみません!渡し間違えていましたね」
長「ん。お前の紅茶、一口飲んじまったが」
副「別に構いませんよ」
双「あぁーっ!」
 「副会長間接キッス狙いーっ!?」
 「「この策士ー」」
計「副会長も遂にライトなラブハプニングをを狙ってきたねぇ」
書「みんな、考えることは、いっしょ」
長「副会長…お前な…」
副「はい?私は単純に渡し間違えただけなのですか…。と言うか、間違えた原因は貴殿方がツンデレだなんだと絡んできたからでしょう」
長「お前、思ったより動揺していたんだな」
副「えぇまぁ。それより会計、私"も"ってなんですか。私はいつでも全力で会長を手込めにする所存です!」
長「副会長…お前な…」
計「チャラ男より肉食系ってやめてくれない?」
双「会長ヤバイー」
 「こっちへおいでー」
書「副会長、一理…ある」
長「なんで一番大人しそうな奴が、最初にそっち側つくんだよ」
計「会長、安心していいよ」
長「どこが」
双「最終的には皆あっち側ー」
 「皆狼ー」
 「「ガオー」」
計「ね?」
長「だからどこが安心なんだよ!副っ、俺のちょっとだけ平和になったあの数分を返せ!」
副「おや、唇は許すと?」
長「いや、その言い方されるとなんかな…」
書「だいじょぶ。最後はぜんぶ、もらう…ね?」
計「だから会長、」
副計双「「「九年目もよろしくお願い(します)ね?」」」
長「いや、いやー…そっちはお願いされる謂れはないが…。まぁなんだ、俺からも今後ともよろしく頼む。…仕事に関してだぞ!?」


end


 八周年、皆々様におきましては長らくお付き合いくださり誠に有難う御座います。
 九年目も生徒会のみならず当サイトの奴等を生暖かく見守ってくださると幸いです。
 我が道を行く亀サイトではありますが、一人でも多くの方にこの幸せが分かち合えますことをお祈りして、今後とも宜しくお願い致します。
──最原


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