今夜は朝まで(2/2)

その後二人は宿の下にある浜辺を歩いた。学校のある所から新幹線を使ってまで遠出した二人。本当なら許される事のない関係を、誰にも見つかることなく続けるにはこうするしかない。しかし、それは二人にとって苦ではない。お互いが想い合って共にいれるのなら、それでいいのだ。手を繋いで浜辺を歩いていると、近所に住む者かはたまた同じ宿の宿泊客か…。仲良く砂山を作る親子の姿。微笑ましいその姿に、結は優しい目でそれを見つめる。承太郎はそんな結を見つめていた。

『いいね、ああいうの。』
「…そうだな。」
『…私も承太郎先生と、あんな家庭をもちたい…。』
「…おい、おれは今先生じゃあないぜ。」
『…あ、そうだね、…その、…じょ、承太郎…。』
「…。」
『そ、そんなに見ないでよ。恥ずかしい!』
「…フン、」

楽しい時間はあっという間に過ぎるもので、浜辺に座って海を眺めていた二人はいつの間にか日が暮れていたことに気付く。宿に戻って食事を摂ると、各部屋用に一つずつあるという露天風呂に入ることに。食事の時に運ばれた日本酒をもちこんで、二人は露天風呂へ向かう。承太郎は先に露天へ向かう。承太郎を意識した結が真っ赤な顔で服を脱いでいるところを想像しながら…。そして結がタオルを巻いて出て来ると、二人は互いの背中を流しあった。すでに大人の余裕を醸し出している承太郎。結はそんな承太郎に大人しく背中を流される。湯船につかると、承太郎はもちこんだ日本酒を手にした。

「結、注いでくれ。」
『…う、うん。』

緊張から震える手で、結は酌をする。結い上げた髪から滴る雫は、高校生とは思えない色気を感じさせた。杯に注がれた透明が揺れる。承太郎はそれを一気に飲み干した。

「…好きな女に酌をされると、酒の味も変わるなもんだな…。」
『…っ、』
「顔が赤いぜ…?」

ニヤニヤと意地悪く笑う承太郎。結は手の甲で顔を隠すが、その手は簡単に掴まれてしまう。

「おかわり。」
『…、はい。』

再び杯に注がれた酒。承太郎は今度はゆっくり口に含んだ。そして結を引き寄せる。逃げる間を与えずに結の唇を塞ぎ、舌で閉ざされた唇を割る。口に含んでいた日本酒を流し込み、飲み込ませるために深く舌を絡ませた。

『ん…っ…ふぁ…っ、』
「…ん…。」
『はぁッ、はぁ…、も…んっ、』

仕上げとばかりに承太郎が濡れた唇を舐め上げる。身体をじわじわと侵食する熱に、結の顔はすでに茹でダコ状態だった。承太郎は結を自分の膝の間に座らせると、後ろからうなじを舐め、赤く染まった耳にキスを落とす。甘い声を漏らした結を抱きしめ、やわやわとタオルの上から膨らみを揉み始めた。

『ちょ…っと、だめ…こんなところで…っ、』
「結が声を我慢すれば…んっ、バレねーよ…。」
『ぁっ!』

タオルを剥ぎ取り直に触れてきた大きな手。するすると内腿にも伝い、足を開かせた。そこで結が口を開く。

『ね…ぇ…、私…、』
「ん?」
『逆上せちゃう…、』
「…ああ、」

承太郎は結を姫抱きにすると立ちあがった。息荒く承太郎の逞しい首元に腕を回した結。承太郎はフッ、と笑って囁いた。





今夜は朝まで
 楽しもうぜ

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