いいえ、そいつは敵です
結局私は、この緑間真太郎という人物が誰か分からず学校生活を送っていた。
クラスも多いし人間も多いということで探すのも疲れた。そんなんするくらいなら勉強してやる。
…そう思ってからそろそろ次のテスト期間が始まろうとしていた、そんな時だった。
「咲穂ー、」
「どうしたの?梨子(りこ)」
「勉強教えてー…もう部活ばっかりしてたから分かんなーい…」
ヘルプを求めてきたのは真宮(まみや)梨子という友人。バレーボールをやってて、どうやらテスト期間ギリギリまで部活をさせられたらしい。
「いーよ、何から教えたらいい?」
「数学!」
「了解。あとでアイス奢ってね」
「う…分かった」
苦い顔をした彼女を前に座らせ、私は数学の教科書を取り出した。
梨子はまぁ…バカでは無いから教えたらそれなりに出来るよね、うん。
適当に問題を選んで解説していく。気付けば時間は経ってて、下校時間を知らせるチャイムが鳴った。