いざ尋常に…
「しっかしあの真ちゃんをライバル視する子がいたとはなー。見た目からして怖くない?大丈夫?」
「むしろ叩きのめそうと思ってるから大丈夫」
「うわっ、雛畠さんやべぇな」
何がやばいんだ。というツッコミを誰か入れて下さい。
「まぁ頑張れよ!相川さんもまたなー」
「じゃーねー」
台風のような男がようやく去り、私はひとつ大きく息を吐いた。あー疲れた。
隣で梨子はにやにやしている。とりあえず貴方は勉強でもしてなさい。
「知ってる?咲穂」
「何を?」
「美桜、さっきの高尾って奴のこと好きなんだよ」
「……へ?」
「ちょっと梨子!」
突然、さっきまで普通だった美桜の顔が赤くなる。え、これ本当なの?
どうやら梨子曰く、美桜の一目惚れらしい。まぁ向こうもイケメンだったし(凄い喋る奴だけど)、お似合いっちゃお似合いか。
「…後多分だけど、高尾も美桜のこと好きだと思うの」
「へー…」
「ちょっと梨子、何咲穂に話してるのよ」
小さく梨子がしてきた耳打ちにほうと思わず唸る。はよ付き合え。
そしてついでに聞いた話だと、女バレ総動員でこの恋を実らそうとしているらしい。楽しそうで何よりだ。
「だから咲穂が緑間くんと付き合ったらダブルデート出来ちゃうよ!」
「まず付き合う予定無いから」
ぴしゃりと言い放つと梨子はえーと文句を言ってきた。が、勉強しようねと言うとすぐに黙った。
ていうかそもそも緑間がどういう奴か知らないんだし、梨子が付き合えばいいんじゃないかな。と今ふと思った。が、すぐに勉強に頭を切り替えたのであった。