アカデミーが休みのある朝。 朝の支度が終わってユッタリとしていた時、玄関の方からドアを叩く音がした。 続いてナルトの「アリス、遊ぼってばよ〜!」という声が響く。 「・・・朝から元気ね」 アリスは溜め息を吐いて玄関に向かった。 ドアを開けて外に出ると鍵をかけてナルトを振り返る。 「どちらへ行くのかしら」 「森に行こうぜ!綺麗な泉があるとこ知ってんだ!」 ────────── ナルトに誘われて森にやってきたアリス。 目の前には透き通る水が湧き出る泉が広がっている。 「まぁ・・・綺麗ね」 「だろ?少し前に見つけたんだ! アリスってば、こういうの好きそうだからよ」 ナルトが照れくさそうに言った。 暫くそこでゆっくりした後、「忍服を見たいわ」と言うアリスのために、商店街に向かった二人。 店に入ると沢山の忍服が置いてあったのだが・・・ 「ナルト・・・どれを選んだら良いのかしら」 「んー。気に入ったヤツでいいんじゃねーか?」 そう言われてもアリスは選び方が分からないらしく、首を傾げる。 ドレスを選ぶ方法なら(実際自分で選んだことはないけど知識として頭に入っているから)分かるが忍服についてはさっぱりだ。 それに─── 「(脚の)露出が高いモノが多いわ・・・」 ドレスでは肩や腕が出ることはあったが脚が出ることはなかった。 よって、動きやすさを考慮した短パンやミニスカートはアリスにとって未知の物でしかない。 今もナルトに借りたTシャツに短パンといった服装なのだが脚がスースーしてしょうがなかった。 ローブを着ているからなんとか耐えられるのだ。 「・・・足首位まである長いスカートはないの?」 「んー、ない事ないと思うけどオレは見たことないってばよ。そんなに長いと動きにくいからな。あ、ズボンならあるぜ!」 そう言って数枚の長ズボンを見せてくるナルト。 確かに動きやすそうで脚も隠れるのだが・・・。 「いまいちパッとしないわね・・・」 首を傾げながら呟く。 そしてアリスは暫く店内を見て回ると外を行き交う人を少しの間眺めてまた店内に視線を戻した。 口元に手を添えて考える仕草をした後、徐(おもむろ)に数枚の忍服を手に取る。 「ナルト、こんな感じでどうかしら」 そう言って見せたのは緑を基調とした忍服。 「お!いいんじゃねーか?・・・っと、後はコレもな!」 そう言って黒のスパッツを手渡してくる。 試着をしてくるように言われて試着室に入ったアリスだったが、そもそも良い悪いの判断基準が分からないため、とりあえず“外を歩いても違和感がない”服装ということでコレに決まった。
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