えー、皆さんこんにちは。 はたけカカシです。 突然ですが先日ある任務を言い渡され、現在非常に困った状況に置かれています。 と、いうのも── ──とある日の執務室にて── 「は?アリスの行動報告書・・・ですか?」 「そうじゃ。アリスのことは予選直後の会議で“中忍試験終了までは様子見”となったが、どうしても納得いかんという者が多くてな・・・」 なるほど、ね。 確かにあんな場面見せつけられちゃ様子見なんて悠長なこと言ってられない。 それで、こっそり監視して怪しい行動をしてないかチェックするわけか。 もし少しでも不審な行動が見られたら即刻、拷問・尋問部隊に引き渡されるだろうな。 尤も、数年前アリスがこの里で発見された時点でそちらに引き渡されなかった事が疑問だけど。 まぁ何はともあれ、アリスの監視自体には大いに賛成だ。 そう、賛成なのだ。 ──だがしかし。 「・・・あの、その役ならば自分ではなく暗部に任せた方がよろしいのでは・・・?」 「それはできん。根っから疑ってかかっている暗部では気付かれる恐れがあるのでな」 「・・・私の場合はアリスから敵視されてるのですが」 そう、例えば─── 〜例1〜 「ねぇ、アリス。Dランクとはいえ任務中だからさ、巻物ばっかり読んでないで少しは働きなさいよ」 「・・・・・」 「おーい。・・・ハァ、巻物没収ね」 「あ・・・」 「いいか、アリス。いくら簡単とはいえ任務は任務。確かにお前は他の下忍より優れているかもしれないが、どんなに優秀でも最初は皆やらないといけないんだ。こうしたことから働くことを覚えて───ウンタラカンタラ」 「・・・・・・・・・・」 「「「(ちょっ!先生/おい、カカシ ストップ!なんかアリスから黒いモン出てる!!)」」」 「───と、いうことなんだよ。わかった?」 「・・・サスケ」 「な、なんだ」 「声帯を効率よく一瞬で潰すには首を刎ねるのが一番いいかしら」 「「「(いやソレ声持ってかれるだけじゃ済まないから!!!!)」」」 〜例2〜 「はーい、じゃぁ今日は忍具使った修行やるよー。お前達四人で実戦形式ね。俺はそれぞれの癖だとか直す所見てるから終わりの合図出すまで頑張って。───始め!」 「サスケェ!勝負だってばよー!!」 「アンタがサスケ君の相手出来るわけないでしょ!あ、サスケ君、私でよければ相手になるからぁ!」 「フン、お前らじゃ相手にならない。やるならアリスと──っ!おい、ナルト!何しやがる!」 「ちぇっ、あとちょっとで当たったのに」 「・・・あのさ、俺は四人で実戦形式って言ったんだけど。それからアリスは木の上で読書しない。ホラ、降りて修行しな」 「・・・ハァ、仕方ないわね」 スルリとアリスが木から降りてくる。 「(あれ?珍しいな。アリスが俺の言うこと聞くなんて・・・)」 「うっし!勝負だってばよ!」 「やるか」 「えぇ!」 ───シュッ!キン!キン! 「はっ!」 「おっと、危ない危ない・・・」 投げられたクナイを避けるナルト。 その後ろにはカカシがいた。 「うわっ」(←避けなかったら胸辺りに刺さってた) 距離を取ったナルトを横目にアリスは移動しながらクナイを数本両手に構える。 そしてそれをサスケに放った。 しかしサスケからも同じように放たれたクナイに弾かれる。 「───チッ、弾き損ねたか」 一本だけサスケに向かったクナイだったがギリギリで避けられた。 その後ろにはまたカカシ。 「っ!おっと」(←避けなかったら顔に刺さってた) 「隙ありっ!」 「フン、この程度ではまだまだね」 アリスは放たれたクナイをすべて避けながら手裏剣を投げる。 「そっちこそ!この程度、簡単に避けれるわよ!」 そう言いながら横に跳躍して回避した。 そしてやはりその先にはカカシがいる。 「うおっ」(←避けなかったら首に刺さってた) 「なかなか当たらないわね・・・」 「ちょっ!ここまで!!」 カカシの合図で四人の動きが止まった。 「先生ー、もう終わりか?」 「うん。ちょっと命の危険を感じたからネ」 「フン、忍に死は付き物でしょう」 「いや、そうだけど原因君だから。なんで態々 アリス・相手・俺 の並びになった時に攻撃仕掛けるの。絶対狙ってるよね?しかもさっきの“なかなか当たらない”って発言、俺に対してだよね?」 「あら、とんだ濡れ衣と被害妄想ね。わたくしはきちんと狙っているわ」 結局この後、アリスはカカシから許可をもぎ取って読書を再開したのだった。
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