・・・うわぁ、今思い返しても碌な思い出ないな やっぱ俺じゃマズイよ。監視してること気付かれたらどうすんのさ。 「──い、おい!カカシ!」 「ハッ!・・・あぁ、申し訳ございません」 「よい。では取りあえず近日中にアリスの一日の行動を報告書に纏めて提出せよ」 「いや、しかし・・・」 「往生際が悪いぞ、カカシ」 「ハァ・・・わかりました」 ────────── ──────── ────── ───ってなことがあったわけですよ。で、ただいまアリスの家の玄関付近に潜伏中。 かれこれ早朝から張り込んでるけど、もう九時半くらいになるよ。 まさか一日中家に閉じこもる何てこと...あ、出てきた。 開いたドアの隙間から見えた家の中がやけに豪華絢爛だった気がするのは錯覚だと思いたい。 まぁ、兎に角追跡開始! ────────── はい、やってきました。図書館です。 っと、報告書に記入しなきゃね。 [九時半外出、軽く散歩して十時に図書館到着&入館] ここにいてもしょうがないし、俺も入るか。 どんな本読んでるかもチェックした方がいいだろうし。 えーっと、アリスは・・・お、いた。手に持ってるのは医療についての本か。 結構分厚いし、アリスは集中力もあるから午前は読書に費やすと見て間違いないね。 [十時〜十二時:医療関係の本を読む] 時刻はちょうどお昼時。アリスは本を棚に返して図書館を出た。 お昼どうすんのかな。このルートだと家に戻ることになるけど・・・ 「お、アリス」 「あら、ご機嫌麗しく。珍しいわね、一人なんて」 「そうか?まぁ確かにアリスと会う時はいつも誰か一緒だったな(・・・ってことは今は二人きりじゃねぇか。うわ、緊張してきた)」 へぇ、あれはシカクさんとこの息子さんじゃないですか。 顔が赤いよ。青春してるネェ。 えー、結局あの二人は一緒にお昼を食べるらしく歩いて“一楽”までやってきました。 確かここってナルト一押しのラーメン店だったよね。 にしてもアリスがラーメンなんて想像つかないなぁ・・・じゃなくて! 店には入れないから取り敢えず声だけ聞いとくか。 「そっちは修行進んでるか?」 「まぁまぁね。貴方こそあれだけ面倒だと言っていたけれど、どうなのかしら」 「あー・・・オレはやってるぜ、一応。アスマがやれってうるさくてな・・・。さっきも修行してきたところだ」 「そう。ま、恥をかかない程度には腕を上げておくことね」 「お前はあんま無理すんなよ。第二の試験でもなんかあったみてぇだし、予選でもいろいろあっただろ」 「フン、わたくしがその程度で動じるわけがないわ」 「いや、そりゃそうかもしんねぇけど。でも何かあったら言えよ。力になれるかは分かんねぇけど出来る限りのことはしてやる」 「口だけならいくらでも言えるわ」 「お前はそんな口だけの奴等と付き合わねぇだろ。それにオレもお前がただ人を見下してふんぞり返ってるだけの奴だったら一年以上も一緒にやってこねぇよ。交わす言葉は少なくとも多少は互いの人となりも分かってるだろうし、そこそこは信用の足る相手だと判断してもいいんじゃねぇか?」 「ホント、よく回る口だこと。でも・・・そうね、貴方の言うとおりだわ。・・・いざという時は力を貸しなさいよ、───シカマル」 「っ、」 おーおー、暖簾(のれん)の隙間から見える顔が真っ赤ですよ、シカマルクン。 ツンからのデレは定番、と。あ、書いてないよ。思ってるだけ。 その後、ラーメン食べ終わった二人はその場で解散。アリスはまたどこかに向けて歩き出した。 [十二時〜一時:図書館を出て歩いている途中、奈良シカマルに遭遇。二人で“一楽”に入店。奈良シカマルの口説き文句により二人は和睦する。食後はその場解散] ・・・・・はい、またやってきました。 図書館。 [一時十分:図書館に到着&入館] 午前の本の他にも色々とめぼしそうなのを手当たり次第に陣取った机に集めている。 っていうか何で二〜三冊づつ運んでるの?何度も往復するなら一気に運んじゃったほうが楽じゃない。 あれか?箸より重いものは持てませんってヤツか?いや、箸より重いけどさ。 ・・・やめよう。いつものアリスを見てると冗談に聞こえない。 そんなことを考えている間にも着々と本の山が出来上がる。 三十センチ程の本の山三つに巻物五本。 ・・・こんなに読めないデショ。何時間居座るつもりよ。 [ back ] |