「…これはまたパクリだらけな…」
お化け屋敷なのに、移動型ではなくカートに乗り、眺めるだけのタイプ。
幽霊たちは復活を目論み、パーティーを開きダンスを踊るという内容。
どこかの大型遊園地で見たような光景だった。
「綺麗ですね」
「…うん」
黒子っちがそう言ってくれるなら、乗ってよかった。
そんなことを考えていたら、
「…っわ」
カートが突然止まった。
『安全装置が作動しました。只今安全確認をしています』
『安全の確認が取れ次第動き出しますので、座席から動かずそのままでお待ちください』
頭上で機械音が鳴り響く。
周りを見渡すと何があるのか分からないくらい真っ暗だった。
周りのモニュメントだけが、何事もなかったかのようにゆらゆらと動いている。
「……」
「……」
暗闇の中に、時折遠くの照明が差し込んで、隣の黒子っちの顔を照らす。
(………睫毛、長…)
慌てることもなく、ただじっと座って待っている。
まっすぐ前を向く横顔が、すごく綺麗で。
「……」
息遣いが伝わる、
BGMは頭上で流れているけれど、自分の心臓の音のほうが大きく感じる、
君が、近くて。
「わ」
腰を抱いて引き寄せる。
細い身体は簡単に腕の中におさまった。
「?……ちょ、……黄瀬く…んっ」
唇を自分のそれで塞ぐ。
だって、こんな真っ暗な中に二人きりで、狭い乗り物の中。
我慢しろっていうほうが無理でしょ。
そう心の中で答えながら、彼の耳元に口を寄せる。
耳に舌を差し込んで入口を舐める、
ぴちゃりと水音がたつと彼は身じろぎをした、
「駄目です……見られる」
「今点検中だから大丈夫」
抵抗の言葉を吐く唇を塞ぐ。
「んっ……ふ、ぅ…」
舌で歯列をなぞり、咥内を掻き回すと、腕を掴む力が徐々にゆるんでいった。
片手でジッパーを下ろす。
勃ちかけた彼自身を取り出すと、外気に触れたせいで気付いたのか、慌てて身体を離そうとした。
「ちょっ……さすがに駄目です、それ……ぁっ!」
無視して自身を口に含む。
筋を舌全体で舐めあげると、びくりと腰が震えた。
「あっ…ゃ、ぁ……っんむ……ぐ」
慌てて口を片手で塞ぐ。さすがに声が出るとまずい。
「っんぅ……ん……っ」
先端を吸い上げながら、空いている片手で上下にしごく。
強弱をつけて摩っていると、咥内で質量が増していく、
止めさせようと俺の髪を掴んでいた手が、力をなくしてぶるぶると震えた。
「あっ……ゃ、いっ……」
腰が前後に揺れ始めた。
限界が近いのかもしれない、
「…っ…え?…」
そう思ったから、口に含んでいた彼自身を引き抜いた。
見上げると、やや茫然とした様子でこちらを見ていた。
「……ほら、動き出したっスよ?」
「………あ」
何食わぬ顔で猛った彼自身をしまい、デニムを戻す。
恥ずかしいのか、彼は顔を背けたまま。レールに沿って走るカートに身体を預けていた。
出口でカートが停車するまで言葉は交わされることなく、
ぎこちない機械音が、ただ響いていた。
「…黒子っち?」
無言でカートから降りた彼、俯いていて表情は見えない。
…怒らせてしまっただろうか。
「………」
「具合でも悪い?」
下から覗き込むと、
「………悪い、です、君のせいで…」
こちらを睨んだ目は潤んでいた、
服の裾を掴まれる、
「…………したい、……っ」
next→
C