ルカの赤い箱…お礼企画 | ナノ







「いやだ!いやだ!
いやだって言ったら、絶対にいやでございます!」

「また、そんな子供のようなことを……」

父上と母上は、呆れたような困ったようななんともいえない顔つきで、私をみつめる。



「だって、この人…
私よりうんと年上ではございませんか!
私はまだ19でございますぞ。
父上達は、私をこんな中年に嫁がせるつもりですか!?」

「ジョセフィーヌ……この方は、ロマーニャ王国の第二王子で、年はまだ26だ。
そりゃあ、頭の方はいささかお寂しくなられておるが…なぁに、こんなもの、王冠をかぶっていれば気にはならんさ。」

「父上っっ!
そんないいかげんな!
私の一生がかかっておるのですぞ。
もっと真剣に考えて下さらないと…」

「真剣にならねばならんのはおまえの方ではないのか!?
王位継承の時は刻一刻と近付いておるのだぞ。
女性が継承する際には、その伴侶となる者を同伴するのが古くからの習わし。
なのに、おまえと来たら、相手を選びきれないばかりか、まだそのような男のなりをして……
そんなことをしていたら、みつかるものもみつからぬ。
王位継承者でありながら、伴侶をみつけられぬ者がどうなるかも話したはずだ。
良いか、ジョセフィーヌ……あともう三ヶ月もないのだぞ。
私達が今までに紹介した者のうちから、なんとしても伴侶を選び出すのじゃ!
良いな!」



父上は不機嫌な顔をして部屋を出ていかれ、その後を母上と召使が慌てて着いて行かれた。



(ふぅ……)



王家に生まれてしまったのだもの…
平民のような自由な暮らしが出来ないことくらいは、私だってちゃんと心得ている。
私の二十歳の誕生日は、王位継承の日でもあり、その時には女性である私は伴侶を同席させなければならない。
それが出来ない者は、流刑島と呼ばれる小島に連れて行かれて、一生そこでひとりぼっちで暮らさなければならない。
要するに、自分の伴侶さえみつけられないような者には国を治めることが出来ないだろうから、不要だってことらしい。
もっとずっと昔には、死刑に処されてたっていうんだから、恐ろしい……

いや、誰もいない島で一人で暮らすっていうのも、ある意味死刑みたいなもんだ。
寂しくなっても病気になっても、誰も助けてくれないんだもの…
第一、どうやって食べて行くの?
私は料理なんて何も出来ない。
いやだ、そんな所、絶対に行きたくない!

だけど、父上の紹介して下さるお相手はどれもこれもピンと来ない者ばかりで……



(一体、どうすれば良いんだろう…?)





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