ルカの赤い箱…お礼企画 | ナノ







「えっ!ほ、本当ですか!」

次の日、二人は少年の家の責任者から思いがけず最高ランクのゴールドの証書を受け取った。
それは、もちろん、今回の強盗犯の逮捕への協力が評価されたからだった。



「でも、これに味をしめて危険なことをやっちゃだめだぞ!
今回はたまたま運が良かっただけなんだからな!」

「はい、わかってます。
どうもありがとうございました!」

誇らしげな笑顔で二人は少年の家を後にした。



「でも、僕までこんなものもらって良いのかな?」

マシューは金色の証書を手に、どこか困ったように呟いた。



「当たり前だろ。
あんたが絵を描いたおかげであいつが犯人だってわかったんだぜ。
だから、あいつが逃げた方向もわかった。
それに、あんたが自警団の人を呼んで来てくれたおかげで俺はこのくらいの怪我で助かったんだからな。
……いてっ!」

ずり落ちた袋を持ち替えようとしたキーファは、傷付いた腕を押さえて顔をしかめる。



「あ!大丈夫!?」

「あ…あぁ、大丈夫だ。」

「荷物は僕が持つよ。
……そんなことより、ねぇ、キーファ…」

「なんだい?」

「僕達…このまま一緒に旅を続けない?」

「え…!?」

「いやなの?」

「そんなことないさ。
年下とはいえ、二十代の仲間がいてくれたら、こんな心強いことはないからな!」


今まで誰からも言われたことのない「心強い」という言葉にマシューは胸が熱くなり、それと同時に「年下」という言葉には冷や汗が流れた。



「あ…あの、キーファ……」

「よし!決まった!
これからは二人で一緒に旅をしよう!
マシュー、よろしく頼むぜ!」

キーファに景気良く肩を叩かれたマシューは、本当の年齢を言い出せないまま、苦い笑顔で頷いた。



〜fin


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