ルカの赤い箱…お礼企画 | ナノ







「おまえ達…本気なのか!?」

三人を前にして、アストは呆れたような声を出した。



「オレ一人じゃ心配でも、マリクとシエルがいてくれたら安心だろ?
シエルなら人間の世界のことにも詳しいし…」

「もう一度聞く。
本当に行くつもりなんだな?
外の世界が危険だということをわかっていながら、それでもどうしても行くつもりなんだな?」

三人は、同時に頷いた。



「そうか…わかったよ。
なら、反対はしない。
ただし……」

「ただし、何なんだよ?」

「私も着いて行く。
旅には、しっかりしたリーダーがいないとな。」



「えーーーーーっっ!」



思いがけないアストの言葉に、三人は同時に声を上げた。



「何を驚いてるんだ。
いつものことだろ?
祭りをする時だって、誰かの誕生日パーティを開く時だって、私がいなきゃ始まらないじゃないか。」

アストはそう言うと、悪戯っぽく片目をつぶって見せた。



「さ、話が決まったら計画を立てよう!
危険な旅に出るんだから、準備はしっかりやっとかないとな。
ぼさっとしてる暇はないぞ!」

アストはテキパキと、白い紙をテーブルの上に広げた。

そして、旅の計画に関する話し合いは、夜明け近くまで続けられた。







「ノエルーーー!」

いつもの場所でいつものように空を見上げるノエルの元へ、手を振りながら笑顔のアルフが駆けつけた。



「なんだ…君か…
今日は何?」

「おまえは相変わらず素っ気無いな。」

そう言うと、アルフはノエルの隣にごろりと横になる。



「なぁ、ノエル…なんで、おまえは空ばっかり見てるんだ?」

「さぁね…他にすることがないからなんじゃないかな?」

「本当に何もないのか?
楽しいことや気になることや…」

「ないね…何にも…
なんで僕はこんな退屈な世界に生まれて来たんだろう?
生きてることに何の意味があるんだろう?」

まるで独り言のように呟くノエルの横顔は、どこかとても寂しげだった。



「ノエル……探しに行かないか?」

「探すって何を…?」

「だから……生きる意味を…
おまえがこの世界に生まれて来た意味を探しに…だよ…」

「生きる意味を……?」

ノエルは、不思議そうな表情を浮かべ、アルフの方に顔を向けた。



「そうさ、メルヴェイユを出て、外の世界にな!」

その言葉に、ノエルの表情は一変した。



「外の…世界……」

夢に浮かされたようにノエルは呟く。



「そうさ!そこで、おまえの生きる意味を探し出すんだ!!」


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