ルカの赤い箱…お礼企画 | ナノ







「なぁ、本当にこれってノエルのためになってるのか?」

ノエルが帰った後、アルフとルミスは温かいお茶を飲みながら話しこんでいた。



「当たり前でしょう!
チョコレートケーキを食べた時のノエルの顔ったら、とろけそうな顔してたよ。」

「でも、いつもあいつが次の日に元気だったってことはないじゃないか。」

「それは…まだもう少しかかるってことよ。
こういうことは、急には効かない!
ちょっとずつちょっとずつ…」

「あぁ、このままじゃノエルは弱っていくばっかりだ!
畜生〜!やっぱり最初から兄貴に相談するべきだった!」

アルフは大きな声でそう言い残すと、そのまま部屋を飛び出した。



「アルフの馬鹿野郎〜!!
おまえになんかもう二度とMyのうまい料理を食べさせてやらないからな〜!!」

ルミスは、すでに見えなくなったアルフの背中に怒鳴りつけた。







「そうか…ノエルはそれほど塞ぎこんでいるのか…」

アストは、腕組みをしたまま俯いた。



「そうなんだ。
ルミスの案で新作料理会をやったのは良いが、何回やってもノエルには何の変化も見られないんだ。
なぁ、兄貴、何か、ノエルを元気付ける良い方法はないかな?」

「そうだな…
気分を変えるには、環境を変えるのが一番手っ取り早い方法ではあるが、ここではそれも適わないからな。」

「じゃ、じゃあ、兄貴!
思い切ってこの世界を飛び出すっていうのはどうだ?」

「……馬鹿なことを言うな。
外の世界はこんなに平和ではないのだぞ。
人間共がどれほど危険な生き物か、おまえも知らないわけではなかろう!?
それに一度ここを出たら戻って来れる保証だってない。」

「そんなことはわかってる!
オレ…いいかげんな気持ちで言ってるわけじゃないんだ。
ノエルをなんとかしてやりたい…そのためならオレ、なんだってするつもりなんだ!
外が危険だっていったって、オレ、けっこう力には自信があるし…」

アストは、その言葉に失笑した。



「おまえ一人でノエルを守れるとでも思ってるのか?
人間をみくびってたら酷い目にあうぞ…!」


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