「何かあったのかい?」

「いや、たいしたことではないんじゃ。
多分、関係ないじゃろ。
ただ、ルビーはいくらくらいするのかと聞いてただけなんじゃ。」

「ジネットがルビーの値段をねぇ…?
ジネットはルビーなんて持ってないから、変といえば変だけど…」

「そうじゃろ?
わしもそれでちょっと気になっただけなんじゃ。
でな、わしが値段を言ったら『やっぱりそんなにお高いもんなんですね』って言うとった。」

その話を聞いて、サリーは腕を組み、頭をひねる。



「……あ、そうか!わかったよ!
レヴの屋敷にいた時にいろんな人が身に付けてるのを見たし、あたし達もパーティに出る時にいろいろ貸してもらったから、もしかしたらそれで宝石に目覚めたんじゃないかな?
でも、あんなもの、あたし達には手が出ないのにねぇ…」

「そうじゃな。わしの店にある中古品の小さなものでもそれなりに高いからのぅ…」

「ジネット、ルビーがほしいのかな?」

「そうなのかもしれんのぅ…
若い娘は誰だって、綺麗な宝石にはひかれるもんじゃからな。」

「レヴに頼んだら買ってもらえるだろうけど、そんな高いもん、ジネットもきっと遠慮するよね。」

「そうじゃなぁ…
あ、それなら…ちょっと待ってておくれよ。」

ピエールは、部屋を出て行き、そしてすぐに戻って来た。



「ほら、これならどうじゃ?」

「これ、ルビーかい?」

「そうなんじゃ、物は悪くはないんじゃが、ほら、ここにちょっとしたキズがあるじゃろ?
そのせいで値段もそう高くはないし、レヴさんにとったらほんのはした金じゃ。
このくらいのものなら遠慮せんでもええんじゃないか?」

「そうだねぇ…あ!そうだ!!
レヴは、私達が森の民に会いに行ってる間、ジネットにずっと看病してもらってたからなにかお礼をしないといけないって一時期言ってたんだけど、そのままうやむやになってたんだよ。
このルビーをそのお礼ってことにしたら良いんじゃないかな?」

「それは良い考えじゃな。
それだったら、ジネットさんも素直に受け取るじゃろう。」

「そうだよね!
きっとジネットも喜ぶよ!
そうだ、早速、レヴを呼んで来るよ!」

サリーはすぐさまレヴを呼びに行き、ジネットとルビーのことを話した。


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