「わかっていますよ、レヴさん…
最近、あなたの身の回りに起こったことも…
……本当に大変でしたね…」

「マダム…
リーズは…大丈夫なんでしょうか?
私が旅に出ている間になにかが起こったりすることはあるでしょうか?」

「…それは、なんとも申せません…
ただ、ひとつ確かなのは、魔石の問題が解決した時に、リーズさんは必ず目を覚まします。」

「本当ですか!?」

西の塔の魔女は、レヴをみつめながら大きく頷く。



「えぇ…それは間違いありません。
でも、それがいつのことなのか、そして、あなたが魔石のことを解決出来るかどうかは私にもわからないのです。」

「そうですか…
しかし、それだけ聞ければ安心しました。
私はどんなことが起きようとも、魔石を処理してみせます。」

「あなたならそうおっしゃると思ってました。
ぜひ、そうなってほしいと私も思っています。」

「ありがとうございます。絶対にやりとげます。
……それで、私達はこれからどこを目指せば良いのでしょうか?」

「それなんですが…
今回、イメージとして見えたのは二色の色なんです。」

「二色の色…?」

レヴとサリーは、その言葉に顔を見合わせた。



「えぇ…私の目の前に鮮やかな緑色と真っ赤な色が現れました。」

「緑は森の民ってこと?!」

「それはわかりません…」

「赤は…まさか…森の民の誰かがひどい目にあって血を流すとか…?!」

「サリー、森の民の血ならば赤ではなく緑ではないか…」

「あ、そうか…
じゃ、どういうことなんだろう?」

「緑と赤…国旗かなにかなんだろうか?」

「あぁ、そういうことも考えられるね…
一体、何なんだろう…?
赤と緑だったら、どこを目指していけば良いんだろうね…?」

「そうですね…ごめんなさいね。
いつもあなた方のことになると、はっきりしたものが見えなくなってしまうのよ。」

西の塔の魔女は、申し訳なさそうにそっと目を伏せた。



「わかる、わかる。
あたしもそうだったもん。
それにシャルロも同じようなことを言ってたよ…」

「シャルロさん…そうか。
シャルロさんにその赤と緑のことについて聞いてみればなにか手がかりになるようなものがわかるかもしれないな!」

「シャルロさん……?
…あぁ、私と同じような力を持った方なんですね…
そうだわ!その方ならなにか良いアドバイスを与えて下さるかもしれません。
まずはその人の所をお訪ねなさい。」

「ありがとうございました。
早速、そうさせていただきます。」

「本当にありがとう!」

「あら…このまま帰ってしまわれるおつもり?
こんなにひさしぶりにお会いしたんだもの。
今夜は泊まってお行きなさいな。
あなた方は私の唯一の人間のお友達なんですからね!」

「え…?!
人間のって…じゃ、あなたの他の友達って…」

丸い目をするサリーを見て、西の塔の魔女はおかしそうに声をあげて笑った。


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