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(母さん…ごめんなさい…)

いけないと感じながらも、ジネットはつい自分の心の弱さに負けてしまった…



(一目だけで良い…
みんながこの森に来てるかどうかだけでも確かめたいの…)

一晩考えたが、どうしても我慢出来ずにジネットは西の森に来てしまったのだ。



(…こっそりのぞくだけで良いの…
すぐに出て行きますから…
母さん、本当にごめんなさい…)

村の入り口はすぐにみつかった。
ジネットは躊躇いもせず空気のゆらめきの中に踏みこむ…



(…あ…)

久しぶりの感覚…
目を開けた時、あたりの風景は変わっていた。

ジネットはみつからないように木の影に隠れながら奥の方へ進んで行った。

しばらく進むと民家が見えてきたが、どこにも灯りはついてはいない。
人の気配がまるでないのだ。



(…ここには、まだ来ていなかったのね…)

森の奥深くで儀式が行われていることを知らず、重い足取りで、ジネットは今来た道を戻って行った…

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