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やがて、長い年月が過ぎ、島には赤い者や青い者ばかりになった。
母船の墜落した跡も、動かなくなった医療用ロボットも、いつしか土や木々にその姿を隠され、誰もその痕跡に気付く者はいなくなった。
赤い者や青い者達は、その大きな身体と強い力を武器に、船で本土に渡っては金品を奪うということを楽しみにしていた。
本土の者達には、「鬼」と呼ばれ、畏れられる存在となっていた。
「見ろ!人間だ!
人間がこの島に向かって来てるぞ!」
小舟の上には年若い青年と、犬、猿、きじが乗っていた。
おわり。
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