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「ダルシャ……もしかして、あそこ……」

少し先に見える、鬱蒼とした森の方を指差し、エリオットがどこか躊躇いがちにダルシャに声をかけた。



「おそらくそうだろう。
アーニーさんの話とぴったりの場所だ。
あそこが獣人の住む森に間違いないと思う。」

「ついに来たんだな。
……あぁ、なんだか興奮してきたぜ!」

そう言いながら、ラスターは右手の拳を激しく左手の掌に打ち付けた。



彼らの旅は、迷うことなく順調に進んだ。
フレイザーとジャネット、そしてセリナは、予定通り、森の近くのキアラの町で待機する。



「さぁ、ダルシャ…早く行こうぜ!」

「しつこいようだが……」

「あぁ、もういい!あんたの話は聞き飽きた!
自分の身に危険が及ばない限りは、獣人をなるべく傷つけるなっていうんだろ?
わかってるって!」

苛々した表情で、ラスターは左右に手を振る。




「残念ながら話し合いがうまくいかない時には、私が彼と戦う。
君達はあくまでも私のサポートだ。
くれぐれも危険な真似だけはするなよ。」

「はいはい。わかりましたよ。
とにかくだな……ぐだぐだ言ってたら日が暮れちまう…早いとこ、片付けちまおうぜ!」

「おい、待て。
よく注意していかないと何があるか……」

ダルシャの言葉を聞くことなく、ラスターは森に向かって駆け出し、その後を二人が慌てて着いて行った。


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