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「あぁ、久しぶりにまともなもん食ったって感じだな!」

小さな町の食堂で、腹をさすりながらラスターが満足げにそう言った。
その声は、いつものラスターと変わらない元気の良い声だった。



「フレイザー、ラスターもやっと元に戻ったみたいだね。
もしかしたら、お腹がすいてたのかな?」

「そうかもな。
ま、とにかく、元気になってくれたなら理由なんてどうでも良いじゃないか。」

「そうだね。」

フレイザーとエリオットは小声で話しながら、顔を見合わせて微笑んだ。



「そういえば…」

そんな二人の様子を見たダルシャが呟く。



「フレイザーとエリオットはどういう関係なんだ?
もしかして、それも忘れてるのか?」

「え…?そ、そうなんだ。
そのこともすっかり忘れてて…」

「でも、名前とお互いの存在は覚えていたのか?」

「そ、そうなんだ。
おかしいよね?」

「ラスターは、俺が使用人でエリオットの旅のお供をしてたんじゃないかって言うんだ。
酷いだろ?」

「……それは逆ではないのか?
フレイザーは男だとはいえ、武器も扱えなければ魔法も使えない。
その点、エリオットは女の子だが、魔法の腕前はたいしたものだ。」

「なるほど!」

フレイザーは、大袈裟に手を叩いた。



「でも、いくらなんでもこんな小さな女の子がフレイザーに雇われるなんておかしいな。
そうだ…もしかしたら、二人は年の離れた兄妹なのではないか?
二人は記憶を失ってもお互いの事を忘れなかったくらいだからな。」

「それはないだろ。
だって、ちっとも似てないぞ。」

「あ、もしかしたら…!」

にこにこと楽しそうに微笑みながら、セリナがゆっくりと口を開く。



「二人は、恋人同士じゃないかしら?」



「えええーーーーーっっ!!」

フレイザーとエリオットは揃って大きな声を上げた。



「こ、こ、恋人同士だってぇ?!」

今度は、ラスターが吹き出す。



「こ、こんな不釣合いな恋人同士なんて、俺、見た事ないぞ。
セリナ…笑わせるなよ!」

ラスターは、笑いの発作が止まらないようで、いつまでも笑い転げていた。
なんとも言えない顔をして二人がみつめる中、ラスターの笑いがやっとおさまり、ラスターは笑いすぎてこぼれる涙をそっと拭う。



「あ……」

「どうした?」

「前から思ってたんだけど、ラスターの瞳ってとっても綺麗な碧色だね。
ダルシャとそっくりだ。」

エリオットのその言葉に、ラスターの表情が一変した、


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