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「セリナ、私のことを忘れちゃ困る。
四人じゃなくて五人だろ?」
「あ!あんた、いつの間に…!」
突然、乱入して来たダルシャにラスターの目が吊り上がる。
「それじゃあ、ダルシャさんも一緒に?」
セリナの問いにダルシャが頷いた。
「なんでだよ?!
なんであんたが俺達と一緒に来るんだ?」
「酷いな、用がなくなったら早速お払い箱にするつもりなのか?
しかし、君達はこれから願いの石を探しに行くのだろう?
だったら、今後も魔物に出会うことは何度もあるはずだし、その中には魔法の効かない魔物もいるかもしれないぞ。
しかも、セリナは悪い奴らに追われてるって話じゃないか。
君達だけでそいつらからセリナを守りきれるのか?」
「そ…それは…」
言い返したくても言い返せない状況に、ラスターは拳を固く握り締めた。
「ねぇ…ダルシャはどうして僕達と一緒に来たがるの?」
「え…?」
「だって、僕達はダルシャがいてくれたら助かるのは事実だけど、ダルシャは僕達といても何もメリットはないんじゃないの?」
「……それはだなぁ…」
眉間に皺を寄せたダルシャが言葉を言いよどむのを見て、くすくすと笑う者がいた。
「あ、カルヴィンさん!」
「エリオット、誰にでも事情の一つや二つはあるものですよ。
大丈夫!ダルシャさんは悪い人ではありません。
そのことなら私が保証しますよ。」
「カルヴィンさん、あんた、ダルシャの事情を知ってるのか!?」
「カルヴィン!」
身を乗り出したラスターとダルシャにカルヴィンは、にっこりと穏やかに微笑んだ。
「ラスターさん、あわてなくてもきっとそのうちわかりますよ。
そんなことより、皆さん、そろそろ夕食の支度に取りかかりましょう!」
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