キャスタニエ家


『あけおめ！お年玉ちょーだい』

「年始めの挨拶はちゃんとしないとダメだろ？」

『あけましておめでとうございます！お年玉ちょーだい』

「あけおめ、ことよろ。お年玉よこせ」

「ラタトスクは兄さんの話聞いてなかったよね」

「うん、よろしくね。はい、お年玉」

『わぁーい！』

「っしゃ、初売り行くぞエミナ」

『イエーイ！』

「兄さんは二人に甘い気がする」

「そうかな？」

　エミルとラタトスクと



「今日エミナ静かだね」

「宿題を今年中に終わらせるんだと」

「え、無理じゃない？」

「お前、何気ハッキリ言うな」

　エミル兄さん


「今年はこんな所に隠れてたか」

『････････サンタ、かくご･･』

「う゛ぅ･･･」

「どんな夢見てるか知らないけど、ラタトスクの事蹴ったらだめだろ。まったく、こんな所で寝たら風邪引くんだからね」

メリークリスマス、俺の大切な家族達

　ラタトスクと


『今年こそサンタを捕獲する！』

「なんで俺までこんな早く起きなきゃなんねーんだ」

『今日は寝かせない。一人はやっぱり寂しいし』

「今から起きてると、肝心な夜に寝るんだからな」

『そんな、ラタみたいなヘマはしません』

「てめっ、どういう意味だ」

　エミルと


『泣きます』

「ホント、いきなりだよね」

『エミルには、かまくらが１日で溶けてしまった、この悲しみが伝わらないというの！？』

「ごめん、全く」

『･･･渡る世間は鬼ばかりです』