断片 | ナノ

遊泳


自分よりも掴み所の無い君は伸ばした手をするりと抜けていく。何度も何度も掴もうとしたが、どうしても掴めなかった。やっと見えた君の尾は誰よりも傷だらけで、触ることなどできなかった。自分にその尾を見られても、君は変わらず雲のようにふわふわとこの世界を漂う。その手を掴んで引き寄せたとき、君はなにを思うのだろう。誰を、想うのだろう。


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2013/03/07



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