ロシナンテ

メンヘラ:構ってちゃん
現パロ 学生と海軍

今日は学校がお休みの日。といえども大学のテスト前ということもあり、私はパソコンとにらめっこをしていた。後ろではロシーが大きな体を預けてつまらなさそうにあくびをしていた。

「なぁなぁ、****。それすぐ終わるのか?」

「んー・・・」
ぐいぐいと後ろから体重をかけてくる。

「お前さっきから返事そればっかだぞー、珍しく俺がいるのになんだよー」

「んー」

そう、今日は珍しくロシーがオフの日。海に出れば任務や後処理などで一ヶ月近く会えない事は当たり前で、加えてロシーのこの性格。そろそろ我慢の限界っぽさそうだ。それに細身ではあるが男性ということもあり、もたれ掛かられているのは、とても重い。

「ごめんね。もうちょっとで終わるからね。」

「何回も聞いたぞそれ。構えよー」

ロシーが体制を変え、背中と背中ではなく私に抱きつく形になった。そのまま後ろからほっぺをくっつけてくる。

「おもしろい事やるから見てろよー。なぁなぁ」

そういってロシーがポケットからライターを取り出す。

「はいはい。じゃあ、ちょっと休憩しようかな」

「お!!やっとか!絶対おもしろいからな!この前先輩に教えて貰ったやつなんだけど、ライターの日を指で消すっていうマジックでな!」

「・・・いや、ちょっとそれは怖いからいいや」

オチが見えてしまってちょっとした恐怖を抱いてしまう。ロシーの事だから火だるまになる可能性が・・・。部屋でそれは困る。

「なんだよー!10回に1回は成功してるぞ?!」

「うそでしょ・・・成功率10%って絶対しないでね。怒るよ」

「う、・・・いいじゃねーかよ、なーおもしろいからさー」

「ダメ。終わるまで待ってなさい」

そういって私は作業に戻った。視界の端では膝を抱えてシュンとしていたロシーが見えた。まったくこの人は私よりも年上なのに構ってちゃんでドジで・・・。どっちが大人かわからない。それがロシーの可愛い所でもあるんだけど。

しばらく作業に没頭していた時、ふとロシーが背中にも持たれず構って攻撃をしなくなったので、おや?と思い後ろを振り替えるとロシーがいなかった。

あれ?トイレかな・・・と思った瞬間、キッチンの方から甘い匂いと焦げ臭い匂いがしてきた。

「あっちぃぃぃぃ!!!」

・・・とロシーの絶叫も。また何かやらかしたのかと思い、急いでキッチンに向かった。

「ロシー?!今度はなに?!」

「へへ・・・3時のおやつにと思ってコーヒーとホットケーキ焼こうとしたんだけど・・・ひっくり返す時に手に落ちた。わり、ケーキは無しだな。」

「もーー!!!無茶しないでっていつもいってるじゃない!あー、赤くなってる・・・」
腕を見ると自分で水に当てたからか、幸いひどいやけどにはなっていない。よかった・・・。
ロシーの腕に軟膏を塗りつつ、休みなのに私のために頑張ってくれたんだなと改めて思った。・・・それなのに私は構ってあげなくて、なんだか罪悪感。

「ロシー、ごめんね。構ってあげられなくて。もう作業しないからおやつにしよっか。」

「ほんとか?!あ、でもおやつは・・・」

「また生地はあるでしょ?私がやるから、ロシーは座っててね」

苦手な事は得意な方がやればいいのに、ロシーはいつも私のために頑張ってしてくれようとする。構ってちゃんだしすぐ落ち込むし、身長高いのに高い所によく頭ぶつけるけど、やっぱり大好きな人にはかわりない。

残っていた生地を焼こうとコンロに火を入れる。
生地を流しこみホットケーキが焼けるのを待つ。
後ろで手持ち無沙汰になったロシーが後ろから抱き締めてくる。

「なぁなぁ、それいつ焼ける?」

「もうちょっとかなー」

「俺いまの焼き加減でひっくり返したらまだだったみたいで、手に落ちた」

「んー。気をつける」

「そこの本にさ、フライパンを布巾にのせて・・・って書いてあるだろ?やっぱそれした方がいいのかな?あ、そうだ一緒に飲むコーヒーだけど****は砂糖入れるよな?どのくらい入れるっけ?ってかコーヒーと紅茶今日はどっちの気分だ?あ、あとホットとアイスとー・・・」

この後私が甘やかしたせいか、構ってちゃんが悪化して、私に怒られてロシーが体育座りで泣く事になるのは、10分後。



(しくしく・・・)
(ロシー、そろそろ学びなさい)
(じゃあ!俺が夕飯作る!!)
(永遠とループしそうだなこれ・・・)







 



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