ハロー異世界


「***、飯だよい」
マルコさんが取ってきてくれた昼食を食べながら、皆と談笑する。隣のエースさんの前には大量の肉。対しての目の前に出されたのは、お魚ソテーにパン、スープだ。洋風でいい香りがする。目の前にはマルコさんが新聞を読みながら、教えてくれる。
「サッチが消化にいいやつを作ってくれたから、体にもいいよい。ゆっくり食べろよい」

「はい、いただきます!」
スープを口に入れると、コンソメ風味でとても美味しい。緊張してたからか気づかなかったけれど、お腹が空いていたようだ。
「とっても美味しいです!すごい夢だなー、食べ物の味がわかるなんて」
「***?お前、何言ってんだ?」
エースさんがきょとんとして尋ねる。
「え、夢なのに美味しいなって」
その一言で周りの皆の動きが一瞬止まり、どよめきが起きる。
(え?なんなの?)

マルコさんが真剣な顔つきになり、ゆっくりと新聞を置く。隣に座り、正面から顔を覗かれる。
「***、この指みろよい」
指を上下左右に動かして、それを視線で追う。診察されてる?
「溺れる前に頭を殴られたとか、頭を打ったとかないか?もしくは記憶が飛ぶほど酷いことをされたりだとか・・・」
マルコさんのその言葉で、周りがざわつく。
「お、おいマルコ。***は心配ねえんじゃないのか?!」
「・・・頭も打ってないし海水たくさん飲んだだけで、大丈夫ですよ?」
「そうかよい。おそらく一時的に混乱してしてるだけか・・・」
マルコさんが難しい顔でぽつりと呟く。
「え??なにがですか?」
マルコさんに両肩をがっちり捕まれ、目をしっかり見つめられ、そして
「***、よく聞けよい

これは現実だよい」


・・・嘘でしょう?
(ハロー、異世界)
(こんにちは非日常)






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