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「こんにちは、承太郎さん、ジョセフさん、静ちゃん」

週の半ばの水曜日。
美登里は放課後、ジョセフ達が滞在する杜王グランドホテルの324号室に訪れていた。

静という迷い子を保護してからというもの、同じスタンド能力を持つジョセフと承太郎の庇護下に置かれている彼女の世話を美登里は仰せつかっている。
美登里だけではなく仗助も億泰も康一も手伝ってくれる事はあるが3人とも用事があるようで、今日の世話係は美登里だけだ。

部屋に訪れた彼女に、それぞれの定位置にいる承太郎やジョセフも挨拶を返してくれた。
ジョセフの腕の中にいる静も、美登里がジョセフの方へと近づいていくと、顔を向けて認識してくれた。

ジョセフに促されて、美登里は彼の座る一人用ソファの隣にあるスツールに腰掛ける。

「今日も学校帰りというのにすまんの〜、疲れておらんか?」
「いえいえ勉強の息抜きになりますし、これくらいどうってことないですよ」

ジョセフの労いの言葉を受けて美登里は正直にこう答えた。

「それならいいんじゃが…」
「ふふ、学生の義務はちゃんと果たしているので大丈夫ですよ」

最初の時より幾分砕けた調子で、ジョセフと会話している事に美登里自身驚いている。
如何にも好々爺という雰囲気も勿論の事、彼に対しては色々な事を話せる。そんな気がするのだ。

美登里の言葉を受けて、感心感心といったようにジョセフはうんうんと頷いている。

「美登里ちゃんはいい子なんじゃの〜、得意な教科はあるのかな?」
「そうですね…。国語も英語も社会も好きですね。
特に英語は、両親が英会話教室とか行かせてくれたお陰で英会話出来ますし…。

…そういえば、ジョセフさんは日本語お上手ですよね。何だか当然のように一緒に話をしているけど、その何というか…外国から来た方が日本語を話しているのって珍しいなぁと…」

美登里の言葉を受けて、ジョセフは拍子抜けしたようにゆっくりと瞬きをする。

「…ワシの話す日本語が上手だと褒められては嬉しさしかないのぅ…。

ここにいる承太郎と話したい一心で、頑張った甲斐がある…」
「…承太郎さんとお話したかったから、日本語を習得しようと…?」

ジョセフから告げられた言葉が気になり、美登里はちらりと斜め前方にいる承太郎に目を向ける。
承太郎は窓際にあるデスクに向かって作業をしているようで、忙しそうだ。

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